しばらくすると(ほんの数分後)駅の方が駆けつけてくれて慣れた感じで後を引き受けてくださった。
その後のこと、全て見届けた訳じゃなかったから、どのように車椅子移動したのかは不明だし、自力で移動しようとしてたイルカ氏があっさりと同意したのかもわからない。
イルカ氏とのたった30分弱の出来事だったのに私はどっと疲れ切ってしまい、近くにあったファーストフード店に駆け込んだ。
そして落ち込んだわ。
肩貸しつつ一瞬、「ああ、とんだ物件に手を出してしまった」と思ったこと。
イルカ氏と歩きながら「もし転んで怪我でもさせてしまったら、責任を負わされるのだろか」と思ったこと。
最後まで手を貸せないのなら、声かけない方が良かったのでは?とかね。
でも、やっぱり、思うのだ。
イルカ氏は、自力でどこかに行きたかったのだから、それに誰かが順番に手を貸せる世の中であればいいのだと。
私に介助のノウハウと、咄嗟の判断ができるほどの知識と体力があればあたふたせずに最良の方法にたどり着いたかも〜なんてね。
朝の通勤時間帯、暑さはモリモリの中、はたしてイルカ氏の行きたかったとこって。
これからもし、あの朝のことに出会ったら・・・私はどうしようかと考える。
力も知識もないくせに「助けたい」と思うのは無責任なような気もするし、手を出さなければ自分への苛立ちも感じるのだろうなと。
そしてきっと「とんだ物件に・・・」とまた思って自己嫌悪のループだよ。
早朝に出会ったイルカ氏、
「なにか手伝うこと・・・」と聞いた無力な私に躊躇なく「肩貸して」と言ってくれたイルカ氏に感謝する。
このことはしばらく忘れないようにしときたい。
おわり〜