衣類の虫食い被害にあったのは、2年ほど前のことだった。
通年同じ防虫対策をしていたのに、なぜかその年だけは
虫たちの食欲が旺盛だったってことなのか?
被害にあったのは、好きなセーター、便利に着られるシャツ、
天然素材もの、高かったスカートの順番で悔しさがつのる物
ばかりであった。「大好きで大事にはいていた高かった上質
ウールのスカート」の虫食い穴にいたってはナミダがにじん
だほど....。広げて陽に透かして見るとそれはまるでプラネタ
リウムのよう!これはもうはけないなあと残念な気持ちでい
っぱいだった。20数カ所の穴だもの、もうどーしよーもない
じゃんっと、一度は捨てる決心をした....ものの、折りたたんで
またしまう、いさぎよくない私でもあった。
一年後。
水玉模様のハンカチのはじっこが解けてきてしまったので、捨てようとしたとき、
ふとあの虫食いスカートを思い出した。
ああ、あのスカートと合体させたら合うかも!
ハンカチを小さく切り刻んで、虫食いの穴をふさぐように継ぎ
当てしてみたらどうかなと。そして1.5センチ角にした布を丁寧に
スカートの穴いっこいっこに縫い付けていった。刺し子のようにね。
気に入ったもの同士をこんなふうに合体させると、また一段と愛おしさが
生まれてくるものだ。昔からの、いちばんトラッドな修繕方法「継ぎ当て」
これ、おしゃれに変換できるいい手段でもある。