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たいへんおいしくできました

ぬか漬け.jpg
アタシのぬか漬け、おいしく漬かってます。

昆布は、出汁をとる他に、色んなもの巻いていい味を出す。
ほそ〜く切って、するめやらニンジンやらと楽しくまみれてねばりを出しもする、実力のある海の食材である。

鷹のツメは、華やかないい赤色でその存在を誇示している。
「刺激界」の花形食品である。
色合いをかわれて、リースなどの飾り物部門でも重宝されることもある。

食パンは、朝の食卓には欠かせないものだ。
柔らかに色んなものを挟むその包容力は、誰もが知るところである。

ビール、説明もいらん旨い飲み物である。

塩糀、言わずもがな。

活躍の場所々は違えど、全員すごい実力者である。
そんな面々を、まとめるのが「ぬか」である。
「ぬか床プロジェクト」のリーダー。

そんなプロジェクトのためにあつめられたが、メンバーたちは初対面である。

食パン氏に、インタビューをこころみたところ、
「ええ、これまでいろいろなものをはさんで仕事してきましたが、昆布さんと組むのは初めてです。
昆布さんは、巻くことも仕事にしているとか?せいぜい巻かれないように気をつけたいと思いますよ。ええ、ええ」
と皮肉まじりに答えた。

こっそり聞き耳を立てていた昆布氏は、ほんの一瞬身を硬直させたが、誰も気づくものはいなかった。
「あんなヤワなやつのいうことなんて...」
と、出汁をにじませながらつぶやいた。
パン氏はすかさず、
「耳もないくせに聞こえるのかい?」
と、自分の耳をちぎって見せていた。

しかしリーダーのぬか氏に、
「そこはまあまあ、仲良くいきましょうや」
とやんわりとたしなめられ、大人な挨拶を交わし合っていた。

挨拶もそこそこに、それぞれの持ち味をおしげもなく放出しはじめる。
偉大なリーダーの元にあって、メンバーそれぞれがすばらしい働きっぷりをみせはじめたのだ。

若干のいがみあい(特に鷹のツメ氏は、今回色合いを必要とされなかったので、よりいっそうピリピリしていた)張り合いつつも、プロジェクト成功に向かって歩み出したのである。

まとめ役のぬか氏は、おおらかに、そして間違いのない着実な仕事をし、美味しいぬか床をつくりあげていった。
いつしか仲間同士の連帯感もうまれ、かたい絆で結ばれていく。
意地も角もとれていく。


そこには、長老「塩糀氏」の仲介、また、酔いどれを装いつつも確実な発酵作業を助けたビール氏の援護があったことも見逃す事のできない事実だ。
皮肉屋のパン氏は、真っ先にぬか色に染まり、嬉しそうにとろけていった。

調和。

そんなすばらしい「お床」につく野菜は、旨味をじんわりとその身にしみこませつつ自らも発酵する。
私は、ころあいを見計らってはそれをそっと取り出し、食卓にのぼらせる。
これから工夫を加えて、新メンバーも加えたりしてもっとおいしく成長させ続ける予定だ。
ぬか氏に全幅の信頼をおく。

ぬか床プロジェクト、遥かなるその道程。
情熱大陸。

日々

お知らせ

2017年3月13日
ホホホ以外に.......

カゴ屋さん、メヌイ
http://ameblo.jp/menui-zakka/
と、 ココカラPARKbyやずやのサイトにイラストと文章を連載させていただいてます。
https://kokokarapark.com/
どちらも月に2〜3回ほどの更新です。

プロフィール

本田葉子

イラストレーター。長野県出身。
2017年10月より小田原市在住。
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