今日は少し涼しい朝だった。
犬の散歩も早めじゃなくてもよろしかろう・・・とぐずぐずっとしていたら、雲行きがだんだんとあやしくなっていったので、ぐずぐずは切り上げてスーを連れ出した。
中盤で、早くもポツポツと雨が降り出してしまった!
ありがたいことにスーの「仕事」はもう済んでいたので即座に早足で帰路。
「ちょっと良いめの帽子」をかぶって出たので、濡らしたくない気持ちもあり、早足は駆け足にシフトチェンジする。
アタシとスーの後ろから、女の子の泣き声が聞こえてきたので振り返ってみると、小3ぐらいの髪の長い女の子が自転車に乗ってこぎながら大声を上げて泣いているのだった。
20メートル15メートル、5メートル。どんどん近づく女の子は私と並んだ。
「どうしたの?」
「お母さんが洗濯もの干しにいっちゃって、エッエッウッウッ」
と大粒涙を流しながらオイオイ泣く。
状況は不明だ。
自転車の前カゴに入れた上履きがびしょ濡れだ。
「雨、急に降っちゃよね。カミナリも鳴るしこわいよね~。いっしょに行こ。どっち?」
「家に帰るの」
なんていうことを話しながら、皆びしょぬれになりつつ歩く。
「雨だと涙が止まる」
と彼女はいって、自転車で走り出した。
スーと私はブルブルっと体をゆすって家に入った。
帽子に丸めた新聞紙を詰める。