30数年らいの友だちとビールタイムの夕方。
この人と初めて会った日のことをしっかりと覚えている。
立川の一軒家。
網戸がバタンバタンするハウスでだった。
友だちの友だちというかんけーで知り合った。
網戸をバタンいわせて入ってきた人の第一印象は、「小さい人だな」であった。
下北沢の駅前で待ち合わせ、ビールのお店まで雨の中傘ならべて歩いた。
歩きながら思った。
あれ?小さくないじゃん。私がちぢんだのか?
ビール3杯ずつ飲んでの帰り道、また駅までの道を歩く。
肩の位置の差を見、物差しでは計りきれない存在感のスケールだと気づく。
38年という年月は、色んな種類の荷をそれぞれに配り、背負わせた。
そして背負う力を身につけさせもした。
帰宅して、一人でワインを一杯飲んだ。
「友だちでありがとう、乾杯です!」ココロの中でいった。
網戸がバタンとまた開く。