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がんばれ!おしゃもじくん 1

ラップの箱のギザギザで、ほんのちょっと指を切ったのは去年のことだ。
三ミリほどの切り傷だったので、軟膏をぬりバンドエイドをはっておいたら、二三日で傷は完治、したように思った。
ちょっとだけ違和感のような、痛くはないんだけど、な~んか違う?ってな感じがちょいと残っていた・・・。
この「な~んか違う?」が今日の大事につながるとは。

おとといあたりから、左手の中指がズキンズキンとはげしく痛み出したのだった。
今朝!中指ははれ上がっており、ミニチュアのおしゃもじの形と成していた。
指の皮一枚下は、黄色味をおび、周辺は赤く、明らかに異常な姿。
痛さもじんじょうでないので、医者嫌いの私でも、
「行かなくちゃ、お医者さんへ」
と早朝から決心した。

そして、ズキンズキンするおしゃもじくんを、胸にいだくようにかばいながら、近所の内科医院へ向かった。

医者 「どうしました?」
私 「どうも、切り傷が化膿しちゃったようで」
医者 「見せてください」
などというやり取りのあと、お医者さんの前に、中指以外の指をグーにして差し出す手、それは、それはそれは女子として決してやっちゃいけない下品な手つきのポーズであっただろうが、今日のところは見逃してもらいたい・・・。
医者 「こりゃあ痛いよねえ」
と同情してくれたのでホッとした。
ホッとしたのもつかの間、先生は情け容赦なくこう言った。
「切ろうか?刺そうか?」

私がわざわざ外科医でなく、内科医を選択して行った意味ないじゃん!
「いやいやいやいやいやいや、そうでなくて。化膿止めとか、抗生物質とかそういった飲み薬でお願いしたいわけで」
と言う私をさえぎるように、
「もうそういう段階じゃないよ」
とあっさり却下。
「ここ、乗っけて」
と、私の下品なポーズの手は「腕固定台」に案内された。

「痛いだろうけど、歌でもさ、歌っといて」
と、先生は私の大事なおしゃもじくんに容赦なく、刃物を入れたりしぼったりを繰り返した。
ホント痛すぎで、歌を歌ってやり過ごすしかなかった。

♪先生ユー切る、マジキルユー。
針ツンツンする度流れる血ぃ、
鼻ツンツンで流れる鼻水ぅ。
こらえる感情、根性出せワシYO~
イェ~。
家帰りたいYO~。
先生ユー切る、マジキルユー♪

ただただサランラップのギザギザが憎かった・・・・。

日々

お知らせ

2017年3月13日
ホホホ以外に.......

カゴ屋さん、メヌイ
http://ameblo.jp/menui-zakka/
と、 ココカラPARKbyやずやのサイトにイラストと文章を連載させていただいてます。
https://kokokarapark.com/
どちらも月に2〜3回ほどの更新です。

プロフィール

本田葉子

イラストレーター。長野県出身。
2017年10月より小田原市在住。
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