とあるコーヒーショップで。
極近の席で、おじさんと40代の女の人が話していた。
仕事仲間っぽかった。
おじさんは今月で定年退職するという68歳である。
(どうしてわかったというと、会話の中で二人とも自分の年齢を語っていたからだ)
二度目の退職なのだそう。
そして、今後も働く気持ちがみっしりとあるということだった。
女の人は、ハローワークとかシルバー派遣とか、いろいろとレクチャーしていた。
なるほど〜〜と感心しきりの私であった。
おじさんの働き続けたいという動機はただ一点、
「家に居たくないんだ」
なんども会話に出てきたフレーズであった。
働く人には必ず仕事の終わり時がくる。
定年っていう決められ事であったり、体力と気力の限界であったりもするけれど、どちらにしても終わる時はきっぱり来るもんだ。
コーヒーをすすりながら思う。
アタシ、やりたくないことはやらない人生をと選んで今ままできたのだから、これから先もやりたくないことは、進んでやらないことにしよう注意深く、終わりがくるまで、と改めて決心する。
勝手な行動のようだけれど、これはなかなか骨の折れることでもあるんだ。
覚悟というGOがいることなんだ。
友だちが言っていた。
「生まれて死ぬ。それを一本のリボンのようにつないでいるのが生だと思う」
って。
ときどきリボンを結び直しながら生きないといけない。
ぶさいくでもいいから、きっちりと結びきりたい。
死を考えることは、こわいことでもくらいことでもなんでもない。
それってただ生きることを考えているだけのことだからだ。
死に損ないになんないためにも、しっかりと死について考えときたいと思う。