早朝の駅でのこと
朝7時ごろの電車の駅でのこと〜。
改札口(2F)に向かうエレベーター乗り場辺りで、杖ついてちょっとした荷物持って
ヨロヨロと歩いている大ぶりな男性(60歳後半から70半ばくらいかな〜、そして80キロは超えてるだろうな〜)がいらした。
イルカの模様のアロハシャツがかわいい感じ。
しかしあまりのヨロヨロっぷりに、思わず「何か手伝うことありますか?」と
考える間もなく声かけていた私。
「つつつつ杖持ってくれる?」と、半身が動かないと見受けられるイルカさんが言った。
なので杖受け取ると、イルカ氏は片手で壁につかまって、すり足で一歩20センチの牛歩で
いよいよもっともっとヨロヨロと歩き出した。
「どこに行くんですか?タクシーですか?」な〜んて聞くと、なんとなんと
電車に乗るのだと言う。エレベーターで改札口に行きたいのだとやっとのことで聞き取れた。
声かけたのはこっちである。おっしゃ!改札口まで付き合おうじゃないか!と心を決める。
後続の方がエレベーターのボタン「開ボタン」を押し続けててくれたので時間をかけて
エレベーターに乗り込むことができた。この間20分はかかっただろう。
改札口に通じる階で降りて、改札口に向かったんだけど、先ほどとは違って、
手掛かりとしてすがる壁がもうない!イルカ氏は、「か、肩かして」と絞り出すように
言った。
汗だらけのイルカ氏の手、ノースリーブで丸出しの私の肩・・・、
いい人ぶっていた私の本性が露わになったよ。「えっ!ちょっとイヤかも」と
一瞬思って肩が若干引けたけど、乗りかかった船、アタシから沈させるわけにはいかない。
私とてベタベタな肩だしどっちもどっちよねと思うことにした。
改札まで20メートルくらいだったから、ゆっくりなら行けたかもしれない。しかし改札を通れたとしても、そこから
また一旦降りる階段もあるし、電車に乗り込むのはどうすんだろうか?下車するのは?その後は?と全てが無茶なように
思え、ぎこちなくかた組んだ初老のカップル(イルカ氏と私ね)は佇んだよ。
「駅の方に、車椅子を頼んでください」とほぼ「誰か助けてください」の気持ちで、かたわらを行くサラリーマン(←イケメン)に大きな声で頼んだよ。
はい、BGMには平井堅の瞳を閉じて。
続く