犬を連れて歩いていたら、たき火のにおいが鼻孔をついた。
ああいいにおい!と連れと共に鼻をひくつかせた。
落ち葉を焼くにおいは秋ならではのにおいである。
その中に、かすかに焼き芋らしい甘い香りがまざるとまた一段と深まるんだよなあ......などと思いながら歩いていると幼稚園の園庭の横の道に出た。
きっと園庭でなにか行事があったのだろう、大勢のお父さんお母さんたちの影に子どもたちの声が重なりにぎやかだ。
細いたき火の煙が、まだ何本かあがっている。
ふいにドスンと胸を打たれた。
固いドッジボールが胸に当たってきたような感じだ。
ジーンとするしびれが胸から腕へと広がった。
20年まえのちょうど今頃。
11月も半ばごろから12月にかけて毎週末、家人と共に息子の幼稚園に通っていた。
幼稚園の有志父母仲間で、園庭に廃材を使っての遊具作りをしていたのだった。
若い父母たちと子どもらの声とたき火のにおいに、私は肋骨をジンジンさせながら、20年まえのあの秋に戻ったような錯覚をおこした。
毎週末、お父さんやお母さん方が幼稚園に集まってはあーだこーだ言いながら、設計図をかいたり絵をかいたり、資材集めなどもした。
園庭に、小型ショベルカー(←水道工事の仕事をしている父さんの所有車)が入ってのしのしを地面に穴を開けて、土台作りをし太っとい支柱を立てた。
「そっち持ってくださーい」
「オッケーです!」
「ゆっくりゆっくり」
「気をつけてー」
すずき先生とおおたき先生が大鍋で豚汁を作ってくれた。
あんどうさんがおにぎりをたくさん握り、しみずさんがお菓子を焼いてみんなにくばった。
たき火にあたりながらほおばった。
作業に熱中しきっている人たちに声をかける。
「早く来ないと豚汁が冷めちゃいますよ〜」
真っ黒になった軍手を脱ぎながら、しらいさんは笑いながらたき火のところまで走ってくる。
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義母が風邪をひいたので、病院へいっしょに行った。
91才になった義母、まあねそりゃねえいろいろと弱ったりしてくるものだ。
「付き添い」を申し出て、連行するように病院へ向かう。
病院では点滴をするという。
2時間ちかくかかるというので、待ち時間をもてあまし映画をみることにした。
「場」を離れるのもなんなんで、スマホでの映画鑑賞である。
GYAO!っつうアプリを入れてあったので、検索してみたら2月20日までの限定でソフィア.ローレンのがふたつあった。
「ひまわり」と「特別な一日」。
「ひまわり」は何度かテレビでもみたことがあったけれど、「特別な一日」ははじめてだ。
ではではそっちからね、とみはじめた。
待合室での椅子に座って、できるだけ鑑賞状態を良好にすべく、ひざの上にマフラーを丸めて置いたりして努力してみた。
しかしどうしたってうつむき加減で小さなスマホを見入る以外に方法ナッシングだけど。
「特別な一日」は、ビバ!ファシスト!ヒットラーってなんてハンサム〜!と国中がこぞって♪ビバドンドン♪と喜びあっている最中で、はみだし者のような男女が出会うのだ。
ストーリーはこの辺で...。
主演はソフィア.ローレンとマルチェロ.マストロヤンニであった。
ひまわりとおんなじペアだ。
かつての百恵ちゃんと三浦友和みたいな安定の組み合わせなのかな?
いまさらなんだけど、ソフィア.ローレンって存在感あるね〜!
顔もカラダも雰囲気も貫禄あるね〜。
なんて思ってみているうちに、点滴で元気を注入された義母が戻ってきた。
こちらも存在感まんまんにあり。
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【気になるCM】
松岡修造が父親役での家族のコマーシャル、消臭剤だったと思う。
お母さん役の女優さんがシートのパックをしているシーン、覚えてますか?
真っ白なシートパックをはがしつつ振り向くんだけど、貼っている顔とはがした顔の差がない!
おどろくほど変化がないのだ。
ツルリとした白い顔はパックありもなしも同じって...すごい...と気になった。
ついでに。
なんのコマーシャルか忘れたけど「A社」「B社」を「エーシャ!」「ビーシャ!」とロシア人らしき女性に呼びかけるの。
意味なくおもしろくて、コマーシャルをみた後はかならず一人で、シーシャ!ディーシャ!イーシャ!と叫ぶアタシである。
田中邦衛のように口をひしゃげつつ。