ときどき見かけますよね、こういう幹からダイレクトにひとりで咲く子。
大勢といっしょにいたくないのか、登りおくれたのか、はたまた乳離れのチャンスをのがしたのか。
なんとも心細そうでしかたがない。
迷子になりやすい者はどこの世界でもいるものだ。
ちょっとうかうかしてる間にはぐれてしまうというか...。
はぐれても、四人でまとまってればまあ安心か。
よく乗車するバスの窓から見える、ある気になる建物。
その建物の名前は「糀屋ビル」というのだった。
その昔、いやそう遠くない昔はきっと糀屋を営んでいたんだろうな。
今、その中型のビルには、不動産屋と学習塾と居酒屋が入っている。
駅前に建っているから、そういった顔ぶれになるのはいたしかたなかったのだろう...と推測。
先人(ビルのオーナーかもしれない)の思いを名前にのみ残したビル。
作る人がいなくなっちゃたのか、採算がとれなくなったのか、貸し店舗のあるビルにした方が、儲かるからか。
宿っていた糀菌、いまいずこ....。
どんな味の糀だったんだろう。
「糀屋ビル」はいつも右から左へと動いて、バスの窓から消える。