今年の春、
「これから...お願いしてもいいかしら」
と、おずおずきりだした義母。
「うんいいよ〜」
と引き受けた。
内心、そろそろだなと思っていたので返事は軽やかに。
お願いとは、ホンダの墓と義母の実家の墓のふたつのことである。
もう90才近い義母、すでに足腰はおぼつかなく、乗り換えの数個ある電車&バスでの移動は困難になってきたのだった。
それで、「ふたつの墓のこと」をたのまれたのだ。
お施餓鬼とかお寺行事とか、命日のおまいりとかね、私と「あちら方面の方々」とのおつきあいが本格的に始まった。
今日も今日とてトテチテタッタ〜っと、三河島と高田馬場のお寺をめぐる。
法要も参加して、配られたプリントを音読する。
おん かーかーかび さんまえい そわか...とな。
義母の「お願いね、あさって」「頼むね、あした」「今日はよろしくね」の三日前からのカウントダウン。
よほど心配なのであろう。
ず〜っと大事なことだったんだろうなあと思わずにはいられない。
うん、いいよと引き受けたからには、唱えずにはおれない。
二カ所めぐると一日仕事となるけれど、終えるとほっとする。
このほっとする気分を味わいたくて、義母はずっとお墓関係を続けていたのかもしれないと思った。
まだまだ信心がたりない嫁は、三河島にいくからにはついでに日暮里の布地問屋をのぞいてこようか...、はたまた新宿のオカダヤに寄ってこようかなと、お楽しみをまぜるのを忘れない。
今日は、雨の日用のバッグをつくりたかったので、ラミネート加工の布地目当てでさがしてみた。
短時間で、なれない日暮里をうろうろする自信がなかったので、帰り際にオカダヤに寄る。
ハギレコーナーに、ちょうどいいサイズのものがあったので、それをチョイス。
値段も安価だったし。
おおきなハトメを打って、ショルダーのベルトを付けるつもりだ。
人間、産まれてくるときは手ぶら。
死ぬときも手ぶらで去るんだから、生きてる間しか持てないよバッグは。
バッグ、とっかえひっかえしてこれからも元気にお墓まわりしていこう!と思う。