何人かの友だちがいる。
学生時代の、仕事を介しての、子どもやブログを介しての、と。
やはり、若い時分に出会い、ずっとなにかしらで通じあってると、困ったときにもうれしいときにも連絡したくなるものだ。
弱音も心おきなくぶいぶいぶいぶい吐ける。
大きく変化していく環境や人間関係の中にあってもまったく変わらない、かっことしたつながり。
古い友人と話していると、頭の中に必ずBGMが流れてる。
キャロルキングのYOU HAVE GOT A FRIEND。
♪ウィンタスプリンサマエンフォ〜ル♫ってな。
心をひらくということは、素直でいるということ。
そんな自分を認めて、そして好きだと思うこと。
寄る年波に乗ってやってくる幸福感ってけっこうあるね。
夜、12時ちかくなったころ、スーは玄関のたたきから動こうとしなくなった。
その目は、
「さあ行きましょうぜ!雪の中へ!」
とメッセージを発信し続けていた。
え〜...とちょっと思ったけれど、私はこの犬になるたけ幸せに暮らしてもらいたいので、冷たい夜に出て行くことにした。
夜の公園には、あたりまだけどひとっこひとりいなかった。
真っ白の公園は、いつもより広く見えた。
スーがあまりに強くリードを引っ張ったので、つい思わず離れてしまった。(ということにしといてください)
馬のようにぱっかぱっかと駆け巡っては、ときどき私の方に顔を向ける。
向けた雪まみれのその顔の、なんとかわいいことか。
夜更けの公園の真ん中に立って、ただただ走り回る犬をみていたら、凍えた鼻から鼻水がじゃーじゃーと流れた。
ぼーっとうす白く、この世のものともあの世のものとも区別がつかないほどの曖昧なそこ。
目からもじゃーじゃーと流れ出していたものがあった。
私は、こわれた蛇口のような鼻と目で、呆然と「嬉々とする犬のいる公園」を見ていた。
自分が生まれるもっともっと前に、こんな光景を見たような....。