三日まえ、ぬか床を仕込んだ。
800グラム200円の米ぬかを買い、昆布、ビール、食パン、鷹のツメ、そして塩糀の豪華メンバーを投入。
煮立てたお湯に塩をていねいに溶かし、豪華メンバーとともにしっかりとしっかりと混ぜ込む。
ぬかのいい香りが立ち、すでにおいしい予感だ。
くず野菜を入れて、ようす見。
一週間から二週間くらいは、発酵期間をおいたほうがいいのだろうけど、翌日には待ちきれずにキュウリを漬け込んだ。
24時間後、食卓に。
塩味が薄めだったので、ほんの数滴、糀しょうゆをかけた。
おいしかったんですね〜これが。
ぬかの風味がきつめだけれど、それもまた旨味だ。
これで毎日ぬか漬けが食べられる〜!
発酵食品生活、まだまだ序の口。
たまらん、やめられん。
もっともっと深みにはまりたい。
先日、友だちと昼食&コーヒーしたおり、友人はうっかり携帯電話をお店に置き忘れた。
帰りの電車に乗ろうと、駅に向かって歩いていて、ちょっとした写真を撮ろうとしたときに気づいたのである。
われわれは、びっくりするほどの方向オンチである。
それは、信じられないほどのオンチっぷりなのだった。
すんなり、さっき行ったばかりの店にもどれるはずもない。
はたして携帯電話は再び手にすることはできるのか.....。
オンチの程度の例を、いっこだけ挙げさしてください。
二人とも、学校の中で迷子になった経験をもっていた。
それは、四年間通った学校である。
それも、四年生のときに学内で迷ってたのである。
そう大規模でもない学校なのに。
4号館だったか3号館だったか、ちょっと日陰にある校舎だったし、あまりなじみのなかった建物だったこともあるけど。
ずっと前、「方向オンチくらべ話し」をしあったときに、同じ経験者だったことが判明したのだ。
「あ〜アタシの他にもそんな人いたんだ〜。でもあの校舎はなかなかわかんないよね」
と、納得しあったものだ。
私は内心.....けっこうイッテルやつだな....と思っていた。
そんな友と、くわしくない土地でのランチ。
てきとーに10分くらい歩き、てきとーにチョイスして入った「食堂」と「喫茶店」で、そりゃ楽しく糀話しにいそしんだものだ。
で、その帰りに携帯電話を置き忘れてきたことに気づく。
あわてる友。
しかし、われわれは、おしもおされぬ方向オンチの最強コンビである。
行ったところに戻れるはずもないのである。
かすかな記憶....「あのカンバンはさっき見たよ」「いや、あれは帰りには右側にあったはず」などと、わけわかんない会話をかわすけれど、らちがあくはずもなし。
思わず、袋小路に迷い込んだりしながら、やっとこ食堂にたどりついたのである。
無事、携帯電話を保護する。ヤッタ〜!あった〜!
再びの帰り道、
「駅はどっちですか?」
と、往来人にたずねたのは、追記するまでもない。
友はアタシに感心する。
威風堂々な迷いっぷりで、ぜんぜんあわてる気配すら見せなかったって。
私の方向オンチは、そんじょそこらのもんじゃない。
年季と実績を積んでいる。
道に迷うのは日常茶飯事のことで、そっちが普通なのである。
すでにステージが違う。
迷いたくて、歩いているわけではないし、一発で目的地にたどりつきたい熱意もある。
しかし、どうしても「反対」の方向に向かって歩いてしまう習性があるようなのだ。
ちょっとの疑いすら持たずに、反対方向に歩き出すという、やっかいな習性。
私は、本当は、道に迷うのが好きなのかもしれない。
迷って迷って行き着けないことも含めて、まあ、しょうがないと思える。
人生そっくりじゃん。
そんな気持ちのわかる「方向オンチさん仲間」って、けっこういると確信している。
それも一種のオタクであろう。
互いに、迷う人生について、語り合おうじゃないか。
オタク集会の号令をかけても、ぜったいに集合場所にたどりつけない仲間たちよ!