友だちに、本を貸す約束をしたはいいが、は〜て〜?どこにしまったかな?出てくるかな?
と急に心配になって、0時すぎから本箱をガタガタいわす。
あった!ヨカッタ!(わりとすぐ発見できた)
段ボールのような紙でできているカバーの箱が特徴的な岩波少年文庫だ。
【ヴィーチャと学校友だち】
カバーから取り出してペラペラっと繰ると、鉛筆でなにやら文にそってのラインとか、書き込みなどが、きったな〜いヘタクソな字でしてある。
矢印をつけて、「ここがおもしろい」とか、「またべつのおもしろさ」とスペース取りさえしてるところもある。(どんだけ上から目線の小5?)
「ヴィーチャだいしっぱい」「ガラスをわった」など、どうして書き込んだのかもわからない感想ともいえない文もある。
11歳の私があえて「ここがおもしろい」と書き込みをしてしまうほどそこんとこは面白かった箇所なのか?と思って、拾い読みしてみた。
今の私にはおもしろくもなんともない箇所であった。
へ〜、そこんとこに興味持ったんだ!と過去の自分が面白く、ヴィーチャを最初っから読んでしまった。
気がついたら4時だった.....。
そして.....。
なに?この読後感。心うきうきな感情がわきあがってるではないか。
いちばん最後のとこの、
「ぼくの話したかったことは、これで全部なんだ。」
の一行に、今はラインを引きたい。
裏表紙に、小学校名と五年三組 涌井葉子 41.7.7 と万年筆の父の字で几帳面に。