少女期0〜20、もりもり若い女性期21〜35、おねえさん期36〜40、おばさん期41〜55、ばあさん期55〜85(一応...)
まあ独断でざっくりだけれど、こうして数字にしてみると群ををぬいて「ばあさん期」がいちばん長いのである。
36才からをおばさんの仲間に強引に連れ込んでみても及ばない。
我々は人生の中で「ばあさん」としてもっとも長く過ごすのである。
「ワレワレワジンセイノナカデバーサントシテモットモナガクスゴスノデアル」
と、のど仏のところを人差し指でかるくトントンと叩きながら抑揚を付けず宇宙人っぽくいってみると、ますます醍醐味と実感が湧く。
二十歳になっら成人式で祝うように、55歳になったらばあさん式を行い集い祝うのはどうだろう。
メインメニューはカレーで。
はっ!あっ!ん!そうか!還暦とはそういうことだったのか!
けれど赤いちゃんちゃんこなど着て、座布団にちょこんと座り、孫に囲まれにこやかな老人のイメージが浮かんでくる。
ちちちがう、なにかがちがう.....。
ばあさん人形をたくさん作っていて思ったことの一つに、「意外とばあさんってなんでも着こなせるもんなんだな」があった。
真っ白の白髪や、グレーまじりの髪で人形を作っていたものだから、なおそう感じたのかもしれない。
白髪、縦横無尽にはしるシワ、すぐくねっとなるくらいに柔らかく詰めたパンヤ、それらはばあさんならではのめくるめく新世界であった。
派手めな色の服、レース、多めのギャザー、顔面ほど大きなアクセサリー、オーガンジー.....。
頭の中にはうっすらと佐藤愛子、沢村定子、オードリー•ヘップバーン、樹木希林、ミスマープル、本格派のばあさんがいつもいた。
人形のモデルにしたわけじゃないけど、うっすらと彼女らがあった。
休むに似たりの思考を続けている私であるが、考えてることの輪郭がぼんやりと見えてきた気がするので、この陽炎みたいなもんをつかみたいとおもう。
つかみたいもんが今までわからんかった。
いいや、なにをつかもうとしてるのかさえ。
この陽炎が耳や鼻の穴から流れ出さないうちに、アタシのカタチにならないものか。
寄る年波がばあさんというビッグウエイブになっていきますように。