義母はきのう、高田馬場のお墓まいりに義弟と連れ立って行った。
そして今日はまた別のお寺、日暮里のお墓まいりに行くという。
じゃんじゃん降りの雨の中、お足下も悪かろうと、いっしょに行くことにした。
片道2時間の長き道のりである。
日暮里駅はスカイライナーとかがかするようになってから、わけわからないほどの変貌ぶりである。
迷いながら駅を歩く。
やれやれとたどり着いたお寺。
雨にめった打ちされている墓石に、また手桶の水をかけるのはどうかな?と疑問に思う私をしりめに、義母はじゃんじゃん水をかけていた。
天からの水と、手桶の水は別物なのか。
あっちゅう間に消えるお線香もしっかり供える。
交代でなむなむ〜をして、滞在5分もしないお墓まいりを終えた。
義母はその足で義妹のお見舞いにまわるというので、病院もいっしょに行く。
若いときから美貌をほこっていたおばさんは、美貌のばあさん(87)になりベッドに横になったままだ。
二本のチューブが身体に。
一本は「入り」で、もう一本は「出」用の。
でも口と頭はばりばりなので、ばりばりにおしゃべりをする。
昔の話、退院後の不安、お墓のこと、姉妹のウワサ(主にアッコウ)などなど、楽しさのみじんも感じられないおしゃべりであったが、必要なことだろう、ふむふむと聞く。
ba-sanの先輩なのだ。取材として熱心に聞く。
「大福かシュークリームが食べたい」
と熱く強くいう。
義母が、
「重湯の食事なのに...ダメだと思うわ」
と注意。
「あら、自分のおなかのことは自分が一番よくわかってるんだからいいのよ」
と反論。
重湯食の患者には.....私とて賛成しかねた。
滞在30分が限度で、
「また来るわね」
と退出した。
義母はきのう&今日の外出でとても疲れたといって、足を痛がっている。
「ヨウコさんにいっしょに行ってもらって、ほんとに助かった。ありがとう」
と感謝もされた。
でも....私は真夏の実家のお墓まいりにひきつづき、とっても腑に落ちないのである。
ここまで義母(88)をかりたてる墓まいりっていったい...とバチ当たりの私は心底思うのである。
沖縄のお墓のこと、先日ひょんなことから知った。
沖縄では、葬式の後土葬にし、しばらくして遺体を掘り起こしてだな...きれいに洗骨してだな、改めておさめるところにまたおさめるのだという。
それ、長男の嫁の仕事なんだと!(昔の話なのかもしれないけど)
それを知った時、「あ〜沖縄の長男の嫁じゃなくって本当に良かった」と思った。
沖縄の長男のお嫁さんには本当に申し訳ないのだが。
掘り起こし時をまちがえでもしたら、妙なものがまだ付いてたとしたら....などと思うと震えがくる。
長男の嫁の義母がずっとしてきたこと、アタシが受け継ぐことになるのだろう。
「スプートニク号に乗せられて宇宙に置き去りにされたあの犬に比べたら、自分の境遇なんかまだマシだ」
とイングマル少年は考えて乗り切っていた。@My life as a dog
「昔の沖縄の嫁に比べたら、私なんかぜんぜんマシ」
と考えてみようか。
シュークリームを6個買って帰ってきて長男の嫁同士、義母とむしゃむしゃ食べた。
それはそれはおいしかったです。