シャワー....もはや鬼門である。
今夜は、シャワー後の場外戦となった。
いつものようにのんきにラララン〜♪とシャワーを終える10時。
カラダにはバスタオル一丁、巻き巻きのかっこで、夕方取り込んだばかりのパジャマを洗濯山の中から取り出す。
パリッとのしいか状に乾いたパジャマは本当に気持ちがいいものだ。
のしいかパジャマをラフに手に取って首をつっこもうとしたところ、手のひらあたりでモギャモギャっとした感触を得る。
どっきりする暇もなく目に飛び込んできたものは....脱皮途中のセミであった。
ヤツはうすーく透き通るような黄緑色のフレッシュをただよわせ、かさかさ感はないものの、れっきとした立派なセミの体をすでになしていた。
脱ぐのあと足一本(おしい!)...ぐらいのところで、両者セミヌード同士の出逢いであったのだね。
さて、場外ということもあって「んぎゃ〜〜ぎゃ〜」と叫んでみたが、家の者らが出てくる気配はいっこうになかった。
.......だろうて。知ってたし。
一人で決着をつけるのに慣れているとはいうものの、とっさの行動というものは時におかしなことになるものである。
なんと右手にくっついたヌードセミを私は台所の流しに投げ込んだのであった。
と同時に勢いあまったか左腕が「おたま」をひっかけ、それがまたどうしたことかうまいことヌードセミをすくい上げるかっこうとなり、流しに着地した。
どうだろう、おたまに乗るうす緑のセミ(抜け殻付き)、なんとも斬新な組み合わせだ。
私はバスタオル巻き姿のまま、ピンポン球運び競争の要領で玄関まで全速力で小走りし、みごと屋外に放出成功をなしとげた。
どうかほめたたえてほしい.....。
途中バスタオルを落とし、足にひっかけながらも生まれたてのセミをおっことさなかった私のことを。