庭で草取りなんぞしていたら、男の人(おじさんね)が血相をかえて走ってきた。
「今、誰か通らなかった?」
とかなんとか、ハッハと息上げて興奮気味にいう。
「気がつかなかったですねー」
・・・の呑気な私に、今あったことを鼻息荒く教えてくれた。
それは、畑から大根を10本以上、白昼堂々と抜いて持ち去ったオトコがいたのだと!
「ひでえ大泥棒だよ、ったく」
と語気荒くいうけれど、ちょっとね笑えてしまう私だった。
「大泥棒」の称号はルパンか石川五右衛門クラスじゃないとねぇ。
「べつに食べるんならいいけど、面白半分で抜いてそこらに捨てられるのがいやなんだ。
大根は手間がかからないから、どうってこともないけど、いっぺんに10本はないだろうっ。
値段にしたらいくらでもないけど、何ヶ月もかけてさ・・・。
これで二度目さ。警察に被害届出そうと思ってさ」
と、その悔しさを吐露した。
ものすっごくそのくやしさや無念さがわかるわ〜〜〜〜!!
「そうですよ!わかりますわかります、本当にわかります。私も小さい畑やってるからわかりますよ。去年は大根もやってましたし・・・」
と同感の意を表した。
おじさんは、ちょっと何かが緩んだような顔で、
「いってくれればなあ、いくらでもあげるんだよ、それをさあ、大泥棒が」
という。
「無断で持ってかれると、心からへこみますよね〜」
と相槌。
「ま、そこに置いとくからさ、食べてよ」
と言い残し、おじさんは去っていった。
大根を作っている人は皆いい人なのさ!
本当にそう思うよ。
しかし大泥棒よ、どうどうと引き抜いた10本の大根はさぞ重かったことだろうよ。
ただただおいしく風呂吹きやおでんや、おろし、豚肉との煮付け・・・と毎日食べたなら、それはそれでおじさんも許すかもね・・・と思った大根泥棒の案件だった。
夕方、玄関の門のところに、大きな大根が一本立てかけてあった。
大泥棒が小判のように配ってる?
それともおじさんからのプレゼント?
今晩は、大根メインのおでん。
おじさんのくやしさをビールで飲み干した。
ごちです!
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「おじさん」と何気に年上っぽく書いたけど、もしかしたらけっこう年下の可能性も。
よくわからんわ〜男性の年齢って・・・。
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