5年前ぐらい前だったか......、「なんでもいいから、なにか軽いもんが観たいな」と、寝る前に観るDVDをTSUTAYAでみつくろったことがあった。
そのときメガネをもってなかったので、あんまりよくパッケージの文字(あれって極小の文字すぎない?)も読めなくて、「ジンジャーブレッド」と書かれてると思ってそれを借りた。
マルチェロ.マストロヤンニがタキシード姿で踊っている写真がパッケージにあったと思う。
「生姜のパン」と思い込み、なにかこうピリッとした風味のやわらかいパンっぽいコメディーとほんとうに思い込んで見はじめたのだった。
ちがったんですね〜これが、根本から。
ジンジャーのブレッドではなくて、それはジンジャーとフレッドという人名だったのだ!
こんなまるっきりの無知状態で観はじめた映画にぐいぐいと引き込まれていった夜を思い出す。
昔、ジンジャーとフレッドは男女でのコンビの物まねの芸人さんだった。
若い時分は、タップダンスでぶいぶいいわせていたらしい。
でもコンビ解消してずいぶんとたっており、ふたりともうんと年をとっていた。
それが、テレビのクリスマス企画、「懐かし番組」(見せ物要素たっぷりの)によばれる。
久々に再会するジンジャーとフレッド......。
昔は恋人関係にもあったのだが、フレッドのいい加減さ(主にオンナ関係)に別れてしまった過去がある。
そんな二人が企画参加のために、お互い遠方から現地に集合して再び舞台に立つっ......てなストーリー。
この映画はあとからじわじわと骨にしみてくるタイプの映画だ。
しんみりとか、感動とか、ほのぼのとか、あ〜楽しかった〜とか、滂沱の涙でもない。
教訓もない。
でも心のどっかにしまっておきたくなる映画なのだ。
私のしばしばの勘違いや思い込みは、とんでもねえ結果におちいることが多い。
しかし、この勘違いで借りたDVDだけは、老眼と自分の思い込みをほめてやるぞ!
玄関の棚にクリスマスの飾りを出しながら、二人が再会したのはこの時期だったんだよな〜と思い出す。
http://movie.walkerplus.com/mv11090/