そりゃあ...買おうと思えばいつでも売っているものであるから、買えないこともないけれど、やはり普段はなかなか購入の決心がつかないもの。
長いことあこがれていたもの。
今日、手にするそのチャンスがやっとめぐってきたのだ!
友人の家での女子会、あ訂正、婦人会への行きがけのスーパーで偶然出会ったバナナ、チャンスではないか!
今どきバナナの手みやげというのも、決して喜ばれるものでもなく、いやむしろ嫌がらせか?と思われるふしもなきにしもあらずだけれど、自分の欲望を押さえきれんかったとです。

....重かったとです....。
これ下げて、15分の道のりを歩いたとです。
友だちに披露すると、
「すごいね〜、これ持って歩いてきたんだ〜」
とか、
「こんなの売ってるんだね!」
と、ちょっと驚いてはくれたけれど、
「おいしそ〜」
の言葉は案の定誰からもでなかった。

あこがれの、バナナ帽をさっそくかぶる私。
あたしも!あたしも!の言葉が誰からも出なかったのは不思議だった。
記念にと何枚も写真を撮ってもらう。
念願かなった瞬間。
撮った後、四本ずつに分けてお持ち帰りしてもらった。
近所の公園(たからの公園)は桜の木々がその両脇をかためている。(友人が本数を数えたところ、100本以上あったと...)
それに景色のつきあたりには、富士山という日本情緒あふるるプレイスとなっている。
きっとこのあたりの開発をするときに、そういうふうに計画したのだろう。
計画どおりに満開の桜と富士山はまるで絵に描いたようなそれはそれは見事な風景となる。
もちろんお花見の人々もそりゃもうたくさん!
そんな時期になると「火気厳禁」の立て看板が何本も立つ。
きっと以前に卓上コンロとか持っていって、鍋などしたのかもしれない。
燗なぞもつけたのかもしれない。
串に刺したトリ肉など焼いたのかもしれない。
そしてご近所の団地から苦情など来たにちがいない。
で、厳しく火気は禁止されたんだろうなあ...。
ちょっと前までは、お花見の人たちが去った後には、なにかしらの放置物があった。
段ボールや、ビニール袋はじめ、食べ残しなどが落ちていたものだ。
スーを連れて公園を通過するときは、注意深くスーの動向を見守らなければならなかった。
一昨年、フライドチキンの骨をくわえてしまい、大騒動したものだった。
今年!なんと!今日まで、なにも発見していない。
それどころか明らかに公園が、どんどんきれいになっていっているのだ!
どなたかが早朝(あるいは夜)に掃除しているのか?それともお花見の後、きれいに持ち去っているのだろうか。
夜、ベンチに腰掛けて夜桜を眺めてる老夫婦を見かけた。
連れの大きな犬はベンチ脇におすわりしていた。
風が吹くたびに、花びらがハラハラと街頭の光の形になって舞う。
小津ワールド。
もうそろそろ桜もおしまい。
そして、みんながやれやれ...と思うのだ。