珍しく早々と目がさめたので、日差しが強くならないうちにと、スーの散歩に出る。
一汗かいてラララン♪と帰宅し、フフフン♪とすべて脱ぎ捨てシャワーに入る。
気持ちよくルルルンとあびていると.....な〜んかが視界のはしっこに入ってきて、「動き」を感ずる。
気のせい気のせいと妙な胸のざわつきも洗い流そうと、シャワーのしぶきを胸に腹に......あれ?やっぱなんか動くよ??
首だけまわして反対側の壁をふとみると、ななななんとGが!
ぎゃ〜っ!っと心の中でだけ悲鳴をあげる。
まだ家の者らは寝ているし、悲鳴で駆けつけられもねえ、それはそれであれだし。
丸腰のアタシは一瞬だけ固まっていたと思う。
しかしここから逃げ出そうという選択がなかった。
手にしているものは、しぶきのあがっているシャワーだけである。
水量マックスにしてGにむかって噴射させる。
驚いたGは、Gならではの俊敏かつ予測不能な動きを見せつけてくれた。
アタシだって負けてはいられない。
万が一Gがこっちの身にでもと考えると...もうおそろしくてそろしくて、シャワーの手を緩められなかった。
戦場は湯気でもうもうとなり、ほとんど視界がないほどになったが、Gがおとろえることはなかった。
さすがだGよ。
だが私だって老眼ではあるけれど、「黒い一点」を見失うことは決してしなかった。
戦っているうちに、真っ向勝負じゃなく、シャワーの方向を変えて、排水溝方面に向かわせるのはどうか?と思いつく。
きっとGは、そこからやってきたにちがいないのだから、そこに帰っていただくのが正しいのではないか。
はたして私はやり遂げた!
この身ひとつで勇ましく、ああやり遂げましたとも。
ヤツは渦に巻かれて無言で帰っていった......。
しばらくの間排水溝にシャワー噴射を続け、リターンを防御した。
それから私はGよりももっと素早い動きでカラダを洗ってすみやかに退出した。
朝の一仕事終えた気分は、なにかこう....スッキリもしないんだけど、あれしか方法はなかったよな?な気分であった。
すっかり着替え、なまぬるくてもいい、とにかく風に吹かれよう.....と一人散歩に出た私である。