つかう予定もないボタンがたんと入ったボタン箱を開けてはたいへんたいへん迷うのである。
白と黒のウサギ、買った当時はピアスに加工しよう!と思ってはいたのだけれど、な~んか決心もつかないまま十数年。
別々にしちゃってもなあ・・・なんとも気がひけるとこ。
ほら「黒いウサギと白いウサギ」という名作絵本があったっしょ?あれがアタマにこびりついてるのかも・・。あいつらはめでたくつがいになるって結末だったしねえ。
以前、ボタン仲間の友人が、バリから買ってきてくれた大きな貝ボタンがあった。
陽に透かして眺めてはひそかに和んでいた。
それは月にとても似ているように思えたものだ。
満月とくればウサギであろう。
組み合わせてみたらピッタリと似合ったもんだ。
ちょっとだけはみ出すところがまたいい!と相変わらずの自己満足にどっぷりひたった。
白ウサギと黒ウサギを別々の月に乗せて、ブローチにして二個付けしたらつがいのままいけるかな・・・とも思ったけど、揺れるほうがなんだかいいような気がしたので、ネックレスにした。
一羽ずつ走るのもよかろう。
ひとつはお店に。
ボタン箱に眠らせておくより、日のめを見た方がきっといいにちがいないもの。
アップダイクのウサギシリーズは若いころ夢中になった小説だった。
いろんな気持ちを込めながら、今は走れウサギのネックレスを胸で元気に揺らせてみる。