義母が風邪をひいたので、病院へいっしょに行った。
91才になった義母、まあねそりゃねえいろいろと弱ったりしてくるものだ。
「付き添い」を申し出て、連行するように病院へ向かう。
病院では点滴をするという。
2時間ちかくかかるというので、待ち時間をもてあまし映画をみることにした。
「場」を離れるのもなんなんで、スマホでの映画鑑賞である。
GYAO!っつうアプリを入れてあったので、検索してみたら2月20日までの限定でソフィア.ローレンのがふたつあった。
「ひまわり」と「特別な一日」。
「ひまわり」は何度かテレビでもみたことがあったけれど、「特別な一日」ははじめてだ。
ではではそっちからね、とみはじめた。
待合室での椅子に座って、できるだけ鑑賞状態を良好にすべく、ひざの上にマフラーを丸めて置いたりして努力してみた。
しかしどうしたってうつむき加減で小さなスマホを見入る以外に方法ナッシングだけど。
「特別な一日」は、ビバ!ファシスト!ヒットラーってなんてハンサム〜!と国中がこぞって♪ビバドンドン♪と喜びあっている最中で、はみだし者のような男女が出会うのだ。
ストーリーはこの辺で...。
主演はソフィア.ローレンとマルチェロ.マストロヤンニであった。
ひまわりとおんなじペアだ。
かつての百恵ちゃんと三浦友和みたいな安定の組み合わせなのかな?
いまさらなんだけど、ソフィア.ローレンって存在感あるね〜!
顔もカラダも雰囲気も貫禄あるね〜。
なんて思ってみているうちに、点滴で元気を注入された義母が戻ってきた。
こちらも存在感まんまんにあり。
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【気になるCM】
松岡修造が父親役での家族のコマーシャル、消臭剤だったと思う。
お母さん役の女優さんがシートのパックをしているシーン、覚えてますか?
真っ白なシートパックをはがしつつ振り向くんだけど、貼っている顔とはがした顔の差がない!
おどろくほど変化がないのだ。
ツルリとした白い顔はパックありもなしも同じって...すごい...と気になった。
ついでに。
なんのコマーシャルか忘れたけど「A社」「B社」を「エーシャ!」「ビーシャ!」とロシア人らしき女性に呼びかけるの。
意味なくおもしろくて、コマーシャルをみた後はかならず一人で、シーシャ!ディーシャ!イーシャ!と叫ぶアタシである。
田中邦衛のように口をひしゃげつつ。
朝がひじょーに寒い。
起きぬけのアタマで、ぼ〜っとしてなにも考えてない状態で手が選ぶのはあったいかい物ばかりになるのは自然の摂理か?
セーターの二枚重ねってなにも考えなさすぎだが......それもすべて寒さのせい。
愛用の登山用ソックスは手放せないし、その上モコモコのスリッパもはくのだ。
外に出るときはコートを着てしまうから「着直す」のもめんどうだし日曜日だし。
ということで、今日は適当に着てすごしちゃった一日でした。
脳はトレーニングするとそれなり活性化するってね。
クロスワードとか暗算計算、迷路などの本もみかけるし。
どれもやってみる気などまるでおきないけど。
好きなもので、より身近なものでのトレーニングがいいんではないか?
結果がその後の生活に役立つ物になったらもっといい!
自分の今もってる服やアクセサリーなどを、まずクロゼットを見ないで思い出して書き出すのは楽しい。
あんがいと忘れてるのって多いものだ。
パンツ編、スカート編、Tシャツ編、コート編...と分けて書き出すと持ち物がせきららに見えてくる。
簡単な絵を入れるとよりわかりやすくなる。
自分だけがわかればいい絵なのだから、好きなように描いていいんだと気が楽だ。
だれに披露するんでもないしね。
「思い出し作業」の脳トレがおわったら、こんどは引き出しを開けたりクロゼットをのぞいたりしての答え合わせだ!
なんと忘れてたものの多いことか...。
あ、そうそうこれもあったんだわ〜と。
そしてどんどん書き足す。「手に乗るクロゼット」ができあがる。
(手に入れたときの年月日、値段、誰からのプレゼントなどの小ネタも書き込んどきたい)
コレ、達成感もあり今後のワードローブ計画??にも役立つと思う。
もっているもんでやりくりできそうな組み合わせを手に乗ったクロゼットを見ながら考えるのは楽しいもの。
おんなじように食器編もやってみるつもりだ。
こちらは「手に乗る食器戸棚」
けっこう脳ミソつかうし、いいトレーニング。
昔のチクチクするオーバーのようなウール素材のワンピース。
形が気に入って買った。
古着である。
袖丈も襟ぐりも丈もちょうどよかったし。
紺色で、大好物なデザインである。
こうシンプルだと小物が映えるから。
95点はいくのだけれど、マイナス5点は......「コートなしのシーズンのみか?」ということである。
ワンピースだけでは寒いし、オーバーみたいな布だからコートを重ねるのはなんだしなあ。
着るタイミングがなかなかに難しそう。
午前中から冷たいみぞれのような雪が降り続いている。
スーの散歩はしょうがないとして......家にこもっていたい日だ。
こもっていたいもなにも仕事がたまっていてやらないといけない日なのだった。
こんなときに限って、下書き用のコピー用紙がのこり少なくなってしまってる!
いたってラフ〜〜な画風の私だけど、大量の下書きを描きちらかしている。
「下書き用紙だけはぜいたくにつかってよしっ!」と自分に許しているのでのしのしと消費する。
いつもは二包みぐらいはキープしてあるのに残40枚ってこころもとなさすぎるので、雪の中を歩いて買いにいった。
重いので今日のところは一包みだけね。
下書き用紙を手に入れてきて安心しちゃってひと休み。
凍えた手足をあたためるべくひと休み。
なにかから逃避するようにひと休み......で自分の首しめただけ〜のトホホの本田。
昨年の夏に新調した洗濯機。
働きものだ。
いろんな機能がついているが、私がつかうのはごく一部である。
どーしてあんなにいろんな微調整みたいなのが必要なんだろうか。
みんな微調整して使いこなしてるんだろうか。
それでも毎日働いてくれるので、外側もたまにはきれいにしないとね!と拭いてみた。
内側もきれいに。
こたつカバー大のショールを腰に巻きつけて家で過ごす。
赤チェックのショールがなければ、寂しい色合いの組み合わせになっているところだ。
小物の派手色や大柄模様は使い出がある。
これはどうだ?と、ウエストきつきつで後ろのプリーツのひだも開きぎみだったキルトスカートを取り出す。
じゃっかんウエイトダウンしたからさ、昔のスカートもいけるはず......と思って。
いけた!よかった。
ゆるゆる〜♪っとまではならないけれど、苦しいということもなし。
ふつうの着心地をとりもどしたスカートになった。
昼からアンパンマン好きの「あやつ」がやってきた。
ひいばあちゃんの91才のお誕生日を祝うために、旨し和菓子とともにやってきたのだ。
ひっきりなしに付きまとうスー。
「こっち向いて!!こっちこっち」と。
Yさんを誘って町田の世界堂へいく。
それぞれ紙などゆっくりみつくろって買い、あたたかいものでも飲もうよ...とカフェに寄った。
家族らのことや、友人の話や、くろちゃんの話などぺちゃくちゃそしてぺちゃくちゃ〜〜っとする。
時はすでに夕刻、あたりは暗くなりはじめている。
これまでのYさんならば、
「くろが待ってるから帰るわ」
と、暗くなる前には帰宅していたが、今日はちがった。
ゆっくりな時間が流れている。
ゆっくりとコーヒーをあじわう私たちだった。
「これからは時間ができたっていい方に考えるのよ」
とYさんは朗らかにそして優しくいった。
銅版画をやっているYさん、くろちゃんを亡くした翌日にも工房へいったという。
ず〜っと昔、なにかの話をしているときに、「頑張るとか頑張ろうってよくいうけど具体的に頑張るってどうすること?」とYさんにきいたことがある。
Yさんは即答した。
「優しく明るくいるってことだと思う」
頭蓋骨もしびれる一言だった。
先日アイロンをかけたパンツに毛皮のショートコートを合わせて着ていった。
お天気良く日射しもまんまんだったのでサングラスも。
ケモノ物&グラサンで、けっこうな迫力をかましてみました。
朝起きたら外は雪景色に!ありゃま。
雪大好きなスーさんと散歩に出る。
いいねいいねえ、いい顔してるねえ。
セリーヌの小径を歩く。
セリーヌの小径というのは、アタシとスーさんだけがそう呼びならわしてる道だ。
一昨年のこんな雪の積もった日に、落ちていた毛皮のショールをきつねかなにかの小動物かと見間違えて、病院へ運ぼうとしたのだった。
抱き上げたら......それはショールで、裏地に「セリーヌ」って書いてあったという結末。
で、その思い出深い小径を「セリーヌの小径」と名付けたのであった。
帰宅して、一昨日いただいてきたビーフジャーキーをあげた。
「これ、くろちゃんの形見だよ」
と、いっこいっこ食べさせた。
スーさん味わいもせずよろんでパクパクだ。
なにがなんだか......泣けた。
夕方になりかけた時間。
携帯電話が鳴った。
発信者名はじょうだんをいい合っては笑ういつもの友、Yさんだ。
「へいへいへ〜い。今焼き芋たべてんだから」
と軽口たたいて電話に出ると......Yさんは鼻声で、静かに愛犬くろちゃんの死を告げた。
焼き芋が本当にのどに詰まって、私は声も出ん。
生後2〜3日から見知っていたくろちゃん。
18年前、ある作業場で飼われていた(なんとな〜く居ついていた状態)モモコという犬から生まれ、飼い主探しも手伝った。
一時は、うちで飼おうともしたけれど、当時は「犬猫禁止」の集合住宅に住んでいたため、断念。
一生懸命飼ってくれそうな人を探したが、見つからなかったのだ。
そして......仕方なくという感じでYさんが引き受けることになったのだ。
Yさんちには、先住犬リリちゃんがいたので迷って迷っての決断だったと思う。
消極的引き取りであったが、もともと大の犬好き一家だもの、一家総出でのかわいがりにくろちゃんは素直で可愛げのあるいい子の育った。
アタシが時々(ほぼ毎日)遊びにいくと、すっごい勢いでドタバタジタバタして歓待してくれた。
そのくろちゃんが死んだ。
大急ぎでYさんのところに向かう。
だびにふされるのは、午後7時だという。
ぎりぎりで間に合う時間だ。
走って電車に飛び乗る。
Yさんの家のベッドでくろちゃんは花に囲まれていた。
安定のかわいさを保っている。
さわってみたらいつものようにやわらかかった。
耳はいつものようにすべすべだった。
いつものように眠ってるみたいだった。
ドタバタして歓待してくんないのがいつもと違っていただけだ。
二時間半後にくろちゃんは真っ白な小さな犬に変わった。
真っ白な骨さえかわいく見えた。