来年の春に、実家解体予定なので、姉は、
「雪がふる前に、だいたいの片付けをしときたい」
と、数ヶ月前から、少しずつ不用品をまとめたり、母の希望の品を持ち出したり・・・時間を作り出しては足しげく通っている。
(若槻→大塚、大塚→若槻って、地元の人にしかわかるまい。新宿→明大前って感じの距離かな)
まる家いっけんの片付けは、考えただけでも容易なもんじゃない。
引越しとはまるでちがうんだ!
いちばん頭を悩ますのは「思い出系のもの」の「今後のありかた」なのだ。
わが姉は、真夏の炎天下に干したバスタオルのごとく、カラ~ッとさっぱり清潔な性格である。
大量のブツをちゃっちゃっちゃっっちゃと機械的に仕分けしていく。
しかし・・・「思い出系」に関しては、そうはいかぬ。
姉は本当に困ったことだろう。
どう持ち出し、どこで保管したらいいのか・・・。
姉の家も私の家も、保管場所に余裕のあるような邸宅でもないし。
てか、互いにもうモノいっぱいの状態。
「きもの整理するから来られるときに来てよ~」
といわれていたので、一泊二日で実家に行ってきた。
母も連れ出し、タンスから次から次へときものを取り出していく姉。
「これ着る?」
「着る!」
「コレは?」
「いらないなあ」
合いの手のように、母の発声。
「ああ、それも着ないの?絽だよ。そっちは紗」
(しゃーしゃー、ろーろーいわれても・・)
「それ大島だよ。その帯は名古屋」
(今度は地名か・・・)
「いいものだよ」
(でしょうよ・・・)
「着ない」
「いらない」
「○○伯母ちゃんが染めた帯だよ」
「じゃ、とっとかないとね」
(○○おばさんはずいぶん前に亡くなった。その作品をば捨てられりょうか?)
「それはおばあちゃんの羽織りだよ」
(聞かなきゃ良かった・・・)
「私が持っとくね」
最初に戻る。
の会話の繰り返しをする。
時間がうんとあったら、姿見の前で羽織ったりして楽しい時間にもなりえたことかもしれないけれど、長時間イスに座ってはおれぬ母、残している義母など姉は時間との戦いもせにゃならぬ。
短時間の中での「いる」「いらない」のギリギリな選択、葛藤。
近所のスーパーでお弁当を買ってきて、椅子に乗っけて、ほこりとナフタリンの匂いにまみれながら食べる。
実家で三人そろって食べる食事。
漠然と、この食事は覚えておこうと思った。
まだまだ処分やら整理の日々は続く、姉に。
山のような写真アルバム。
父の細々雑貨、用品、日記。
セットものの食器。
私たちが生きてくのに必要ではないモノは、悲しいかな不用品。
不用品はゴミ。
カラッと乾いたバスタオルでも、絞ればまだまだしたたり落ちる水気を含んでいる。
重いのは、想い。
「あ~あ、もう疲れちゃったよ」
と、笑いながら腰を伸ばす姉に、真のがんばりの正体を見る。
よく、
「がんばろうね!」
とか、
「がんばってね」
といい合ったりするけれど、がんばるっていったいどうすることなんだろう・・とふと思う。
ど根性を発揮することかな。
できる!と思って目標にむかって努力することかな。
どっちもチカラのいることじゃのう・・・。
チカラが出ないときは、どうがんばればいいのだろか。
友だちに「がんばり方がわからない」と小学生なみのメールを送ったら、そく、「私はわかるよ」と返事をもらった。
「それはあかるくいることです」
と。
ココロの釣り鐘をゴ~ンと突かれた思いがした。
中年の「がんばる」には「ど根性」も「チカラ」も超える、ワンランク上のアッハハハ~♪があった。
夕方。
ドアごしにさえ聞こえてくる激しい雨音。
しかし玄関先で、正座して目をキラキラさせて「お散歩」を待っている犬を無視できようか?
引き綱を装着さして外にでたらば、ヌワ~~ンとした空気につつまれた。
家の中より暑いじゃん!びっくり。
汗かきながら、その辺をひとめぐりした。
今晩は白菜と豚肉の鍋にしようと思って用意していた。
それは、コマーシャルでやってたやつよ。
白菜と豚肉を層のように重ねて、土鍋にビシッとつめる・・・あの鍋。
ダシはコマーシャル通りのは使わない。
もっとおいしいダシでとるつもり。
ヌワ~ンの気持ちいくない空気の中で、ハテこの鍋はいかがなものかと、汗と雨でぬれたデコをふきながら、台所で仁王立ち。
身の回りの物の整理を今、はげしくやっている。
先週は、玄関まわりと物干しあたりを攻めてみた。
今日は、食器戸棚を。
食器戸棚はふたつ使っている。
よく使う食器用と、ワイングラスとか重箱とか・・そうひんぱんには使わないものをしまっておく用と。
これを、理由あって、ひとつだけにしようと試みているのである。
5年いえ8年(ユーミン混入)使用してないワイングラスは曇りガラスな趣きになっていた。
気に入りの二個だけを残して、あとは処分箱へ。
どうして45枚も小皿があるんだろう、家には。
10枚で充分ではなかろうか?いや5枚でもいいのでは。
10年未使用の茶托て。
ティーカップ3コに対して6枚のソーサーて。
と、いろいろ処分対象としてダンボール箱に入れていったら、ずいぶんと減らすことができた。
余裕のある食器戸棚の使いやすいことといったら!
おどろくほど出し入れがしやすくなったではないか!
入れ物(戸棚とかタンスなど)には八分目か七分目が気持ちいい分量なんだろうなと改めて感じ入ったことでした。
腹も。

糸通しマシーン。
これさえあれば・・というか、これがないと始められないのだ。
針アナって、毎年小さくなってない?と疑いたくなるほどよ。

おもちゃのようななりをしているくせに、仕事はかくじつに遂行する、ホントえらい赤いヤツなのである。
入っていた箱も説明書もかわいくて、捨てられない。
裁縫のあいぼう、老眼のみかた。
すっかり恒例になりました。
三鷹の「カフェギャラリーテラス」での蚤の市。
何回目になるのかな?忘れるほど・・回を重ねてます。
今年最後の市は12月4日(日)です。
時間はAM11時からPM3時ごろまで。
雑貨中心になりそうな感じ。
冬ものの服とか食器とかも並ぶ予定です。
またまた手芸家さんたちの参加もあるんで、布やら手芸雑貨も出ることでしょう。
また色々連絡が入り次第、お知らせしていきます。
「いいもの変なもものいっぱい。そしてお安く!」
のモットーはずっとずっと変わっていません。
テラスにみえるお客さまが、
「今度はいつですか?」
と時々きいてくださるそう。
楽しみに待っててくださる方も増えました。
最初、出すものに出品規制をつけてました。
●木彫りの鮭くわえたクマ
●セッケンの詰め合わせ的なもの
●般若のお面
上記のものか、それにじゅんずるものはNGって。
しか~し・・、ある回で、「鮭くわえたクマ」が商品として並んだのでした。
それはそれはみごとに変身して。
白でペイントされたクマ、ポップなブルーの鮭をくわえて出てきました。(笑いました・・・)
それで売れたのでした。
てな小技を効かせたものもあります。
セッケンも一つ一つ布で包み、おしゃれになって並んだりと。
あたしたちの蚤の市は、一味ちがうのであります!
一見の価値アリ。(ハードル、自ら上げてます)
お楽しみに~!またひとつよろしくお願いします。

つかう予定もないボタンがたんと入ったボタン箱を開けてはたいへんたいへん迷うのである。
白と黒のウサギ、買った当時はピアスに加工しよう!と思ってはいたのだけれど、な~んか決心もつかないまま十数年。
別々にしちゃってもなあ・・・なんとも気がひけるとこ。
ほら「黒いウサギと白いウサギ」という名作絵本があったっしょ?あれがアタマにこびりついてるのかも・・。あいつらはめでたくつがいになるって結末だったしねえ。
以前、ボタン仲間の友人が、バリから買ってきてくれた大きな貝ボタンがあった。
陽に透かして眺めてはひそかに和んでいた。
それは月にとても似ているように思えたものだ。
満月とくればウサギであろう。
組み合わせてみたらピッタリと似合ったもんだ。
ちょっとだけはみ出すところがまたいい!と相変わらずの自己満足にどっぷりひたった。
白ウサギと黒ウサギを別々の月に乗せて、ブローチにして二個付けしたらつがいのままいけるかな・・・とも思ったけど、揺れるほうがなんだかいいような気がしたので、ネックレスにした。
一羽ずつ走るのもよかろう。
ひとつはお店に。
ボタン箱に眠らせておくより、日のめを見た方がきっといいにちがいないもの。
アップダイクのウサギシリーズは若いころ夢中になった小説だった。
いろんな気持ちを込めながら、今は走れウサギのネックレスを胸で元気に揺らせてみる。
家人が・・・自分の写真の方が愛がある!といいはるのだが・・・。(家人撮影)

私だってすっごい愛こめてまんがな。(アタシ激写)

♪ほほに小さな泣きぼくろ~かわいい人よなぜ泣くの~♪ってかあ?
(スイスイ歌えるとこが、こわい・・・)
銀座の「ギャラリー悠玄」では今「おしゃべりなアート展」が開催されている。
130人の作家からなる展覧会だ。
パンフレットより
「この展覧会は、「今、このとき」をテーマに、作家たちの日頃のメッセージを平面・立体、素材を問わず多種多様に表現していただいた作品を三層からなる幽玄空間に、おしゃべりなアートとして展開するものです。・・・・・・・・・・・・・・」
友人も参加しているので、いってきた。

映像の人あり、手芸っぽい作品あり。


友人(安本洋子さん)は銅版画を二点。
最近すこし変わった絵。いいなと思う。
月光荘にも立ち寄る。
ホルンの絵の入ったボタン!・・買わずにはおれなかった・・・。
髪ゴムにするつもりで。

(直径は2センチよ)
あんこがぎっしり、うすい皮の中におさまり、ずしっといい持ちおもりのするかたまり。
上品ぶってもいない和菓子、それはきんつば。
二年ほど前に姉が買ってくれたきんつばは、それはそれはおいしくて、どこぞのじゃ~?と捨てた包み紙を拾ってシワをのばす。
そこには「和泉庄」と記されていた。
長野県飯田市のお菓子屋さんだそう。
それから帰省するたびに私は必ず買って帰っている。
長野駅前のデパ地下にお店が入っているので、とってもおもとめやすいのである。
家まで待ちきれず、新幹線の中で、ひとりむしゃむしゃ食べることもしばしばだ。
先日、姉が箱入り10個をお土産に持ってきてくれた。
私は本気で一人で全部食べる決意をかためた。
(義母に1個だけはあげた。そこまで非情には・・やはり・・なれまい・・・。ばち当たるし)
しかし、和泉庄のきんつばは、残念にも賞味期間がとても短かった。
そうだ!冷凍しよう!とセロファンに包まれたひとつひとつをばまたラップにひとつひとつ包み、それをジップロックに入れて大事に冷凍庫に収納し、ふふふと笑う。
一週間は楽しめるぞ、ふふふふ。
朝起きたらすぐ冷凍庫から一つを取り出し、自然解凍する。
朝コーヒーといっしょに楽しむのが、おいしさ倍増の奥義。