シフォンの小さいスカーフ(43×43㎝)、20年ものであるが、まだまだ現役。
タートルの首まわりに挟み込んだり、開きのおおきなTシャツやシャツなど着たときに、便利なものだ。
私にしてはけっこう高価なものだったけれど、直接素肌にふれるもんは、ストレスまるでナッシング〜がいいと思って手に入れた。
こうまで長いこと使えるとなると、あのとき買っといてよかったと思える。
首のシワがね....ちょっと気になるね....年代。
ちょっと巻くものの便利さを実感する。
友だちが、「使わないから...」といって、ワニ革のハンドバッグをくれた。3年前。
うひょうひょ〜♪と大喜びしていただいた私だった。
持ち手のところにあったダメージも、丁寧に修理した。
にもかかわらず......出番はきわめて少なく、残念ながらずっとタンスのこやしにと。
どーもね、マダム風になってしまうところが自分に似合わないような気がしてね。
なにかこう?....ただよう?高級感?に負けてしまうのだ。
そうだ!「よそ行きなお出かけ感」が、私の日常にあってないような気がしすぎていたのだ。
多分だけど、ゆずってくれた友だちも、そういった「気取り」を含んだお出かけ感が、手放した理由だったんじゃないかな〜。
夕べふと、ショルダーバッグにすれば、「気取り」は薄らぐのでは?と思いついて、さっそく持ち手を取り替えてみた。
アタシにしっくりくる風になった気がする。
カジュアルな軽さが出せたのでは、と自負する。
もったいない、いつ使えばいいのかわからない、似合わない...とかは、もっと自分に引き寄せて使う方法をさぐればいいのではと思う。
しまっておく方がもったいないし、使うのは今日!
今日使うカンタンな方法を、考えればいいんだなと思う。
私のタンスはすでに立派に肥えている。
こやしにはもうさせとかないよ。
孫が生まれて、思ったことに、「また読みきかせしてやるチャンスがきた!」がある。
手ぐすねひいて、その時をまってるOBBである。
【ある日、この子どもが生まれたてのほやほやで、パンかごに入ったロールパンほどの大きさしかなかったとき、長袖ドレス着た名づけ親おばさんと、黒い帽子をかぶった名づけ親おじさんが、この子を教会につれていきました】
モーリス.ドリュオン作、安東次男訳の「みどりのゆび」
挿絵もなんともかわいいのだった。
訳者の安東次男さんは、詩人で、俳人でもあったという。
目次さえ、それだけで心そそられる一遍の詩のようだ。
しか〜し....アタシが楽しみにしてるからって、孫がよろこんで聞き耳をたててくれるとは限らんなあ....。
布団の中で本を読んでやり、「続きはまた明日っ!」と閉じて寝る幸せは、母親の特権でもあるしな。
面白く本を読んでくれるOBBがいるってぐらいの存在にはなりたいもんだと妄想する。
また台風接近で、外は大雨。
私は「みどりのゆび」を音読する。
読み聞かせの腕、落としてなるものか。
携帯電話に内蔵されているカメラで写真を撮っているのだけれど、いつもはちゃんと撮れるのに、大事なところで作動しなくなるって、いじわるをされてるとしか思えないイケズぶり。
充電切れ...ということもありぃの、初使いの充電器をうまく扱えなかったことも原因だろう。
しかもそのイケズは観光っぽいプレイスでかぎって発動された。
兼六園ではうんともすんともいわなくなったカメラ。(通話部門はだいじょぶなのに)
唯一の一枚がこれ。
さすが「お庭界」では有名人な兼六!みごとな松がいっぱい!
さすが「方向感覚皆無」なことでは類をみない私はみごとに迷子になった!
同じ大きな松(くねり加減で判断した)の前を5回も通った。
そして、私と同じことをしていたとみえる「迷える女子」に、何回も会った。
みどり色の帽子をかぶっていたので、グリーンゲイブルとココロの中でニックネームをつけるほど、私は彼女と懇意になっていた。
三回めに出会ったときには、ふたりで微笑みあったほどだ。
「迷っちゃっうわよね。わけわかんない。ここって迷路よね」と、声には出さねど心は深く通じあった。
その後も二回....バッタリと。
おどろくべきことに、彼女とはまた別の場所、お城付近の喫茶店でも出会うことに。
そして、もはや運命ともいえるだろう、ダメ押しに金沢駅でも出会った。
そこでも微笑みを交わし合い別れた。
お互い、方向オンチ者の一人観光は難儀なこっちゃっねえ、と労をねぎらったことだった。
兼六園は、彼女との数度にわたる邂逅がなかったら、こうも印象に残らなかったことだろう。
記録(写真)より記憶、ありがとう〜!グリーンゲイブルさん!無事にお家に帰れましたか?
こんなかわいい踊りの子どもたちを、鶴来の道々で見かける。
お祭りなんだそうだ。
見物する観光客もいない、ごく日常の風景らしい。
小学生や中学生とおぼしき子どもたちが、親から教えてもらうんだろう舞いを舞っていた。
展覧会会場のすぐ近くには、犀川が流れている。
会場入りする友とYちゃんで、ちょっとぶらぶら歩く。
散歩コースなのだろうな、きれいに整備された芝生の土手になっていた。
そぞろ歩くのはご近所の方々なんだろう。
若い頃イタリアに長いこと住んでたYちゃん、
「こういうとこですれ違ったら、挨拶ぐらいするもんだ。ボンジュールとかさ」
といった。
その後、ぼんじゅ〜るむっしゅぅ&まだ〜む...ぼんぼんぼんじゅ〜る...とモレシャンさんっぽく練習しながら、笑いながら歩いた。
ひどくのんびりした気分が充満してきた犀の河原で、ボンジュールのわれわれは、買ってもらった和菓子を食べた。
金沢の旅は全体的にとても「おいしい旅」であった。
友だちの展覧会は、新聞の取材もあり、おおにぎわいだったらしい。
本当によかったと心から思う。
よく出身地で展覧会を開くというと、「故郷に錦を飾るんだね」とかいわれる。
アタシも長野で、二年前そうだった。
しかし「錦的意識」じゃなく、これからも続けるために一段落つけときたい場所....という想いだ。
「個展 やまあるき」の友が、
「ずっと描いてると、まだうまくなれるって感じするよね」
といった。
ずっとずっと同じことを仕事でし続けられるってこと、どんなに幸せなことなのかの実感が深まる今日この頃。
おたがい、イラストレーターになって35年もたつね。
まだまだもっとうまくなれると信じてがんばって行きやしょうや。(フォトショップ含めて)
いい秋だった。
金沢へは、新宿発の深夜高速バスでいった。
それは....飛行機はめっちゃ高いし、新幹線は乗り換えとかあって、わりと時間がかかりそうだったから。
なのであるけれど、私は「深夜高速バス」というのに、乗ってみたかったのである。
それは、深夜高速バスを舞台にした、乃南アサの「再生の朝」を10年ほど前に読んだときからだ。
台風の中、走る密室たる深夜高速バスの中で起こる殺人事件、そして大事故に....というミステリー小説。
ぐうぜんに乗り合わせただけの乗客たちのそれぞれの心理。
怖い殺人もあるんだけど、それは題名のとおりに、ぞれぞれが再生の朝、すばらしい朝を迎える.....。
今回、深夜高速チャンス、キターである。
でもそれは、ピンク色のバスで、私のイメージとは大きく違ってたんだけど。
三列のワイドリラックシートスタイプの席は、お隣の人と分離されていて、文字通りワイドでリラックスできるシートとなっていた。
深夜バスのことは、このくらいにしておいて、先に進みます。
あ、なんの事件も事故もなく、DVD見たり、うとうとしたり、お菓子食べたりしてたらバスは8時間半で、定刻通りに金沢に着いちゃいました。
再生もなにも、ごくふつーに。
金沢駅から、今回お世話になる友人のご実家である松任まで電車で行く。
北陸本線のシルバーシート(優先席っていいますね)の柄がすごくかわいい。
早朝の電車は空いていたので、記念の写真。
松任谷由実さんは金沢好きらしいけれど、松任となにか関係があるのかな?とか考えながら下車したら、友だちのお姉さん(以下Yちゃんと表記)が待っていてくださった。
お世話になったYちゃんは、もんのすごく料理がうまい。
とにかくうまい。
いかそうめん、ミョウガの味噌漬け、かれいの一夜干し、ビーフシチュー、酢でしめた鯵、ちらし寿司、ぬめぬめ半端ないナメタケのお味噌汁、ユズ風味のきゅうり、などなど数々の手料理をいただいた。
中でも、酢でしめた鯵がおいしかったので、どうやって作るの?ときいたら、
「まずよく切れる包丁が必要。それから今朝とれた魚」
といわれる。
台所を見ると、キンキンに研がれた包丁が。
そして使い込まれた砥石。
ですよね〜、やっぱそうですよね〜。
Yちゃん話しは長くなりそうなので、先に進みます。
今回の第一目的、「松井なつ代 個展 やまあるき」の会場に向かう。
ブログで制作過程などを見せてもらってはいたけれど、こうして額に入りずら〜っと壁にかかった様は、また壮観である。
まちがいない、なつ代ワールドが出現していた。
これだけ描くのに、どんだけの月日と努力がいったことだろう。
お客様がたくさんみえたということだった。
今回、なつ代さんは会場詰めなので、「観光」はほぼ一人でまわった。
21世紀美術館、兼六園、中村記念美術館、武家屋敷あたり、などぶらぶらした。
21世紀美術館は、連休中ということもあったのだろう、ことのほかこみこみだったし、周りの広場ではブラスバンド演奏とか、若い作家さんがお店を出したりと、賑わっていた。
Yちゃんがこしらえてくれたサンドイッチをブラスバンド演奏をききながら芝生の上にひろげて食べた。
どこまで旨いんだ、Yちゃん弁当。
第二目的であった「糀屋さんへいく」も、実現できた。(M姉妹のおかげです。連れていっていただきました)
糀を買うときの単位は「枚」である。
こうなってるから。
ここは大きく出ることにして、私たちはそれぞれ一枚買いをした。
糀屋さんのはしごもして、また別の店でも買った。
殿さま買いである。
お店でふるまわれた「冷やし甘酒」(お酒じゃないんだけどね)が、異様に旨くて興奮した。
花っぽい甘く澄んだ香りがした。
糀、字に偽りなし。
「神社は早朝がいい」
とYちゃんはいって、鶴来のひめ神社に連れてってくれた。
左がなつ代、右がYちゃん。
この先に神社。
もうちょっと書くことがあるので、「あしたに続く」にします。