
文藝春秋臨時増刊の漫画読本は、1983年版だ。
568ページの雑誌は、4センチも厚さがあるけれど、ズシッと感がないのは紙質のせいだろうか。
今ではもうきっと使われてないいんだろうなと思われる、正真正銘のわら半紙だ。
それもごわごわっとしてざらつきもしっかり見て取れるし。
最初の漫画は、ボブ.バルトの特集「意地悪爺さん」から始まる。
ヴァジル.パーチ、チャールズ.アダムズ、ボスク....とへとページは続く。
ニューヨーカーでおなじみだった人たちのラインナップ。
東海林さだお、加藤芳郎、横山隆一、灘本唯人、山藤章二、小島功.....たまらん豪華さ。
黒鉄ヒロシはギャク漫画「信長殺人事件」で登場してる。
園山俊二は、今の世の中をすっかり予言した「ギャートルズ」を描いている。

漫画だけでなく、吉行淳之介のエッセイや、筒井康隆の小説も載ってるし、それは読み応えのある漫画読本なのだ。
どこから読んでも、そして、なんかい読んでも面白い....。
いつ読んでもどこかしらに新鮮な可笑しみが味わえる漫画読本。
このVol.2の臨時増刊には載ってないけれど、「漫画読本」には、長谷川町子さんが「サザエさんの未来」も描いてたはず。
また読みたいなと、雨の夜に思ったり....。
生後二ヶ月たったので、お宮参りに行ってきた。
雨予報がでていたけれど、昼間はまあまあの曇天でラッキーなことに雨にも合わなかった。
お宮参りの後、産院でもらっていた記念撮影のタダ券で写真を撮りたいという娘夫婦とともに写真館へ行った。
貸衣装はいろいろとあり、どれを選んでもいいという。
動物のきぐるみみたいなやつとか、アニメの主人公とか、白雪姫、金太郎、おすもうの化粧回し、アイドルの衣装風....などなど笑っちゃうのもいっぱい。
もちろん、伝統的な着物も山とあった。
うちは掛け衣装を持って行った。
姉のところの長男が使った掛け衣装である。(なので家紋は姉の家の...ってどうなんだ?ま、いいか?)
「衣装は持ってきました」
と告げると、
「では、ドレスでも撮られたらいかがでしょう、無料ですので、どれでもお選びいただけますよ。それとも薄いブルーのお着物はいかがですか?」
と、やんわりいろいろすすめられる。
こちらもやんわりとお断りし続けた。
しかしさすが!赤子の撮影になれているスタッフさんたち、撮影は手慣れたものであった。
赤子がちょっとでもカメラ目線になった瞬間にシャッターを切って、うまい!
被写体も嫌な顔ひとつせず泣きもせず、バシャバシャバシャバシャ撮影は手早く進んでいった。
すると、小学一年生ぐらいの身長のミッキーマウスが突然運ばれてきて、赤子を見守るって感じにセッティングされ、あれよあれよとまたバシャバシャ。
「ご家族で撮られてはいかがですか?」
つーことになってまたバシャバシャ。
その後の進行がまたすごかったんだ!
三枚がセットになるような、折りたたみ式の立派な台紙(結婚式の写真みたいなアレ)を見せてくれ、
「台紙と写真一枚をプレゼントします。あとの二枚はどれになさいますか?」
と。
娘夫婦は、きつねにつままれたような顔をしていた。
その上、さすがミッキー、1500円増しの別途料金。
オバアはすでに人生で、いろんなことを経験してきてるんで、「タダ券」つうところですでにナンカはあるな...とうすうす感じてたけど、こうもすんごいことになるとは!
ビックリというより、なにかこうねえ、商売の滑稽さを思った。
娘夫婦、数ある写真の中からどう選択するのかな?と見ていたら、パパさんのご実家に送る用に3人で撮ったのを一枚だけ注文し、あとはいただけるものはいただくことにしていた。
良い選択だったと私も思う。
それでも3500円だもんね。
撮った写真の画像をモニターで見せられながら、わわ〜〜っと説明されると、勢いというか成り行きというか、自分から進んで選んでいるような錯覚に陥るであろう。
「う〜ん♪これもかわいいわね。三枚選ぶとしたら....これとそっち?」
つうてな。
帰り際にお土産もいただく。
ハーフバースディー(6ヶ月をそういうんだってよ)記念撮影のタダ券(半額券だったけかな?)とかお友だち紹介券(友だちがそれを使ってくれると、紹介者がまたタダになるんだってよ)写真入りのキーホルダーとかのグッズもくれるんだって。
もうよく覚えてません。いろいろくれるらしい。
オバアはクスクス笑った後、どろどろとした、とってもいや〜な気持ちの沼にずぶずぶと入ったような気がするのです。
そんなアゴまで沈みかかっているオバアに向かって、
「おじいちゃま、おばあちゃまと撮る割引券も入れておきますね♪」
オバアは静かに沈んでいくのであった.....ふかくふかく。

この二人は、一日に三回のお散歩をするそうだ。(超早朝、午前中、夕方。深夜に出ることもあるそう)
それもけっこう長時間の。
よって出会う確率がとってもたかい二人連れ。
そーっと忍び寄って、気づかれないように写真をとった。
あ、これが人だったらPの侵害とかいろいろで、訴えられるんかな。
スーとも仲良しだから許してね、サブリナさん。
しかし....どーよ、このラブラブっぷり。

「東京新聞に掲載の「おしゃれのレシピ」を本にしたいがどうですか?」
という問い合わせを編集者さんからいただいたのは、三月半ばのことだった。
あまりのドキュ〜ンな問い合わせ、にわかに信じることができなかった私だ。
「おしゃれのレシピ」は2007年からスタートし、いま現在も続いているイラストエッセイだ。
紙面の生活面の右上のところに隔週でほぼ月二回、書かせてもらっている。
連載が開始して2年ほどたったころ、「一冊にならんものだろか。本にしたいなあ」の野望を持った。
数カ所の出版社や、編集プロダクションに持ち込んで見ていただいたけれど、実現はしなかった。
それぞれに理由はあり、どれもが納得のいく理由だったので、やっぱ無理なんだなあ...と断念していた。
でも、その後も連載は続いており、読者の方々から時おりいただく感想のお手紙やはがき、メールに一喜一憂する日々は続いた。
「本にしてください!まとめて読みたいです」
と、涙ちょちょぎれるようなありがたいお手紙をいただくこともあり、ねえ...そうなったらホントにいいのにねえ...でもそうも...なかなかねと内心思うばかり。
して、6年目に入った3月、突然に降ってきた書籍化のお話、わ〜いヤッター!と瞬時に信じられるわけないっしょ?
会って、お話をちゃんと伺うまで、喜び勇んではならん!そんな簡単に本になるわけがない....と過去の経験から自分を戒めていた。
お会いする日を決めて、お話を伺うと本当のことであった。
連載記事のまんまをまとめるのではなく、「おしゃれのスランプからの脱出方法」という、新たな切り口で構成したらどうでしょうというご提案をいただいた。
そんな風なまとめかたできるのか?と改めて自分の過去記事を読み直した。
まじで?と思った。
しかしね、そこは編集者さん、新旧の記事を前後左右に自在にうごかしまくり、構成して見せてくださった。
小柄で清楚な感じの若い女性編集者さん、ばっさばっさと容赦なく選別し、切りまくってくださった。
ほぉ〜ほぉ〜!そんな切り方、そしてくくりかたができるんだ!とただただ感心しまくる私であった。
6年分のイラストと文章は130本ほどあり、選ぶ記事もお任せした。
どれが採用されて、どれが落ちるのかな?とそれも楽しみだった。
長いこと書いてきてるんだもの、そりゃね、気に入ったのもあれば、消してしまいたい回のもあるわな。
しかし、ぜ〜んぶひっくるめて身をゆだねた。
「あれとあれは、どうか採用されますように...」
とひそかに念を送った2枚がある。
1枚はめでたく採用され、カバーにまで登場決定!
それもセンターをゲットした。
もう一枚は、不採用でお蔵入り。(これは新聞掲載時も、紙面の関係で白黒でしか掲載されなかったどこまでも不遇のイラスト)
本人がいくら気に入っているからといって、本の内容にそぐわなければ、「落ちる」のは自明の理だ。
ずっと新聞で読んでくださっている方にも、新しい目で見ていただける本に仕上がったように思う。
コラム3ページと各章(5章に分かれています)の扉のイラストは新しく描いた。
文章は大幅に手を加え、より実用向けな内容へと変わっている。
時候のネタや、その時にだけに通用したタイムリーすぎる内容は削除した。
今回は色んな意味で、面白い本作りを経験させていただいた思いがする。
本を作るって、本当に一人じゃできないことだ。
編集者さんと、二人三脚で走るって感じ。
アタシはすべて脱稿したけど、今もまだ彼女は突っ走っているところだろう。
ラストスパートかけてくれてるんだろうなあ。(ゴメンね。あたしってばワイン飲んじゃってて)
「おしゃれのスランプ解決ノート」(河出書房新社)¥1400
6月24日に書店に並びます!
どうかひとつ、どうかお手に取ってくださいませ!
おもしろくないところもあるやもしれませんが、おもしろくてためになるところもきっとあるはずですから!

とつぜんですが....根曲がり竹ってご存知?
親指ぐらいな、ほっそーい竹の子。
身長は20センチくらいで。
私の出身地長野では、これをおみそ汁にしていただくのがとっても一般的な食べ方なのである。
抱き合わせ具材として欠かせないは、缶詰のサバの水煮。
これをいっしょにしておみそ汁にするのだ。
きゅっきゅと音たてるような根曲がり竹の噛みごこちが、なんともいえないいい感じの春のおみそ汁なのである。
そこに、さっぱりとしつつもほのかに感じるサバのオイリーさとあいまって、それはおいしい。
むしょうにそれが食べたくなったのだけれど、近所のスーパーには売られてなく、泣く泣くしかたなくサバの水煮の缶詰だけをおみそ汁に投入してみた。
エアー根曲がり竹でも、なつかしい味わいはありました。
かぼちゃは柔らかく茹でてマヨネーズで和え、お湯でちょっともどした干しぶどうをそれに混ぜた。
上からゴマも散らした。
それらをつまみにして、赤ワインで一人祝杯をあげました。
東京新聞(中日新聞も)で連載中の「おしゃれのレシピ」が一冊にまとまって、本になって出版されることが決定したから!
6月20日あたりに書店にならぶ予定です。
明日、くわしく書かせてもらいま。
今晩は、一人の乾杯。
半端な具材のおみそ汁と、かぼちゃのサラダで、脱稿したうれしさをかみしめる。
きゅっきゅと幸せな音が歯からこぼれるのをかすかに聞く。

色んなするべきことをして色んな予定を完了した。
梅雨というのに、雨あんまり降りませんね。
土だって水分をうんとほしがってるだろうに....。
今日、娘の赤子を抱いていたらものすごく不思議な気持ちがした。
太古の母親みたいな気持ち。
説明すると、こっぱずかしすぎるので、また浄化したら話します。
色んなことをすませたので、明日からはしたくてたまらんかったことをしていこうと思う。
ほら、試験がおわったらあれもしたい、これもぱ〜っとやろう...とか思うじゃない?
あれとおんなじよ。
...................................
「古畑任三郎シリーズ」をDVDでみている。
昨晩みたのは、福山雅治が犯人役だった。
(やく20年前の古畑)
福山雅治は、アッタマのいい犯罪者を演じていた。
ガリレオの福山とほぼ同じに見えた。
捕まるのも、捕まえるのも。
今まで見た中で、いちばん面白かったのは、緒形拳が出演した「おみくじ殺人」。
あれは名作だと思う。
犯罪のその手口と、緒方V.S古畑の攻防がコミカルかつスリリング〜。
ポワロやミスマープルでは、服や小物などストーリーの他にも見どころはいっぱいあるのだけれど、古畑では田村正和の独特な表情のみに目がくぎ付け〜。

なーんにも着るものについて考えられない日ってありますよね?ね?ね?ありますでしょ?
と.....しつこくだれかに同意を求めてしまった....。
たたんで置いてあったいちばん上の二枚をただ着た今日。
「生活の雑用に忙殺されるときほどおしゃれしなくっちゃね!」
とかなんとかさ、どっかで言った私を、どうか見逃してほしい。
どう持ってもさまになる「How to live」のお助けバッグと、シルバーのペンダントをつけた。
忙殺されきっている顔は、むぎわら帽子を深々して隠しきる。
こんな日もあるさ...と記念の一枚。
...................................
一昨日、姉に連れて行ってもらった長野の園芸店で、本気で買おうかと迷ったもの。
これ、収穫するのってむずかしいものなのかな。

育ててみたいなあ。

年とったなあ...と残念に思うこと、多々あれども.....。
物覚えがわるくなったとか、大事なこともわすれてしまうとか枚挙にいとまはないんだけれど、そのひとつに、前まで難なくちゃっちゃっとできたことが、ちゃっちゃっとできにくくなったことも挙げられる。
それがわすれてしまうこととあいまってしまうと、どえらいことを引き起こす。
人間関係、社会的信用さえ失うこともあったりするし。
昨年友だちがプレゼントしてくれた「貼ってはがせる」タイプの便利なTo do listを引き出しからとりだし、使うことにした。
大事な請求書、出さないといけない返信ハガキなどはクリップでまとめた。
送られてきた必要な資料はクリアファイルに目的別に分けて保存した。
保存先を忘れちゃ元も子もないんだけど....、そこんとこは気をつけていかねば。
明日たずねる友だちのところに持っていくものはバスケットに。
あさって長野にいくので、その持ち物は、黒いカバンに。
読むべき校正用紙の束はブルーのクリアファイルに。
ちゃっちゃっと進めたいところだが、ちゃっちゃやりすぎると不注意で発生する「お忘れ物」が多くなる。
娘&孫がやってくると、嬉しくなってなお「おわすれ事項」が多発する。
平常心でもって、注意深〜く生活しないとほころびがあちこちに出てくるもの。
先日友だちに教えてもらったパソコンのイラレの技も試したいし、ホホホのお店に並べたいものもあるけど保留のまま。
まずは頭ん中を整理していこうと思う。
え〜っと....To do list....どこに貼ったんだっけかな?
思い出すところから始めよう。
ああ?眼鏡がない...と探したらおでこに引っ掛けてた。
まじやばいじぇいじぇい。

昨年の5月、友人が亡くなった。
息子の学校での父母仲間であったHさんとは、父母会やいろんな行事にいっしょに関わり、小中高を過ごした「仲間」である。
いつも行事には積極的に参加し、父母でなにかするときには、中心になってくれた人だった。
みんなをまとめるのがすごく上手で、気持ちいい仕切りに、だれもが「Hさんがいれば安心!」と思っていた.....といって決して過言ではないだろう。
昨年訃報を聞いたとき、にわかには信じることができなかったけれど本当のことだった。
父母仲間と、「いつかお墓参りに行こうね」と約束しあい、そして一年後の今日実現させた。
楽しく行こうね!といいあって5人の友人と、わいのわいのしながらアクアラインを走るバスに乗って海を見ながら千葉に向う。
彼女のご主人はお寺のご住職さんだ。
お参りの後、ご主人から、どう家族みんなで戦ったか、亡くなる前の数年間のお話し、また彼女の最期をうかがう。
どんなにうかがっても、お墓参りしても、どーもね、こう.....Hさんの死がまだぴんと来ない我々であった。
帰路の途中で、夕ご飯&ビールをする。
Hさんの話し、子どもらといっしょにやった行事や企画などなど思い出話しをたくさんする。
みんなで興奮気味に次から次へと話しがでてくる。
つい昨日のことみたいだ。
それだけいっしょにやったんだよね、それだけいつも中心の人だったんだよね...の想いをいっそう強くする。
お店で、会計をするとき、きっちりと割り勘にしたはずなのに、なぜかなぜか不思議な事にお金が多めにテーブルの上に乗っかった。
五人とも、「私は正しく出した!」と言い張った。
あ!Hさんが払ったにちがいないと思った。
喫茶店に行き、コーヒーいただいたら、ほぼそれでまかなえる金額。
楽しい一日をありがとね、コーヒーもごち!

5年ぶりの免許の更新であった。
優良者(ぜんぜん運転してないから...)なので、指定警察署でも手続きができる。
指定警察署で更新したことは過去にある。
運転免許試験場所でやったこともある。
今回は、行ったことのないところで、更新手続きをしてみようと思い都庁の2階にあるという運転免許更新センターにいってみた。
新宿駅から、地下道の動く歩道に乗ってすいすい歩いていく。
都庁にお勤めの方どっさりといっしょになる。
背広軍団、アタシ、これがいちばん苦手な軍団である。
ずっと前に友人と、こんな風な場面に遭遇したことがあった。
「ぞっとするね」
といおうと思った瞬間に友だちと声が重なった。
「ステキね〜!やっぱりパリッとした背広姿の男の人って」
............彼女はうっとりと背広軍団を見つめていた。
「そっ、そう?」
出かかった言葉の濁点を瞬時にとって、あいまいな返事をしといた。
水差すこともないかと思って。
なーんてことを思い出しながら歩く。
都庁の更新センターはすいていたし、すいすいっと終わった。
30分、ビデオを見てたら新しい免許ができ上がってた。
あいかわらずビデオ....怖かったです。
おびえます、運転すんの。
都庁全体...なんだか薄暗いって感じがした。
「節電」モードなんだと気づく。
エアコンもほとんどついていなく、扇風機があちこちでまわっていた。
(会議室とか内部の部屋はさ、空調バッチリで電気はこうこうとあかるいんだろうな、きっと、ゼッタイ、と思った。うがった考えでしょか?)
帰りは、新宿駅まで地上の道を歩いた。
日差しが強かったけれど、しげる木々が道路に影をおとして歩きやすかった。
オアシスもいっぱい。
そんなオアシスの中にあるオープンエアのカフェでやれやれとお茶した。
交付されたばっかの新しい免許証とふるいのを見比べる。
5年の月日は一目瞭然。
ですよね.....。
交通違反はしなかったけど、いろんな違反をくりかえしてる私。
見せられた怖いビデオ以上の怖いこと、たくさんやってしまってる。
生活面はゴールドにはぜったいなれない。