以前に、小泉武夫先生の書かれたご本の挿絵を描かせていただいたことがある。
......そうさな、かれこれ25年ほど前に。
軽妙な語り口でつづられたそれは面白い本だった。
先生は発酵食品の研究者だ。
「ネバネバネバーダ」という名前のレシピが印象的で覚えている。
おくら、納豆、それとネバネバする緑の葉野菜(名前ど忘れ!)を混ぜるのである。
元気はつらつになるということだったが、試した記憶はない。
ものすごく古い時代に作られた、もうすご〜く臭く発酵した魚も紹介されていた。
甘酒ぐらいでワイのワイのと調子にのるのもなんだが、発酵食品の奥深さとおもしろさに取り憑かれたら、どんどんはまっていきそうだ。
しばらく休止していたぬか漬けを再開しようと思う今日。
あの本を探し出そうと、押し入れをあさる。
昨日作った甘酒はおとといのよりぜんぜん甘くなかった。
ガクッ。
分量や温度のちょっとした違いで、出来は大きく違うもんなんだなと、初心者は日々一喜一憂する。
午前10時にお床入りさせた赤いホーロー鍋。
午後10時に取り出すと、なな、なんと甘酒が出来上がってました〜!
発酵、おそるべし。
ぬるまった鍋をあけると、フウ〜ンとほのかな糀のかおりがただよう。
待ちきれず、スプーンでひとさじ味見する。
え〜!あ、あま〜〜〜い!
どうしてこんなに甘くなっているのだろう?
ちょっとお湯を足して加熱する。
糀のつぶつぶもおいしく口の中でとける。
これ、いかにもなつかしい味だ。
酒粕で作った甘酒とはまた違ったおいしさである。
糀についてきた「甘酒の作り方」の通りにやってみた。
●ご飯をちゃわんに一杯
●水、ちゃわんに一杯半
鍋で合わせ一度加熱して湧かせる。
●茶碗に一杯の糀をそこに入れて保温。
私は、電気シーツの入った布団にそのお鍋を入れた。
それだけなのに....。
感激のあまり寝入りばなの義母をたたき起し、飲ませる。
「うん、甘い!おいしい。明日の朝また飲むからとっといて」
と上々の感想をいわせる。
私は上機嫌。
塩糀はまだまだだ。
ただいま私が抜け出した後のぬくぬく布団(電気シーツ入り)の中に交代で、赤いホーローの鍋が安眠中。
中身はごはんとお湯と糀。
夜には甘酒になっている....といいのだけれど。
この方法で甘酒を作るって初めてのことだ。
うまくできるといいんだけど、どうかな。
もうひとつ、仕込んだ塩糀。
出来上がりは一週間後らしい。
常温でやっているので、たぶんもっとかかるかも。
忘れずに毎日かきまぜないと!
塩糀の作り方を調べたり、ともだちに聞いたりしていると、いろんな方法があることがわかった。
ジャーで、電気毛布やシーツで、ヨーグルト製造機で、常温で、はたまた新聞紙と毛布で包むとか。
菌がより発酵しやすい環境を作り出すということだろう。
アタシの方法、冬に常温で...はいかがな選択であろうか...。
やってもーたか?
うまくできたら作り方や配合を紹介します。
うまくいかなかったら、改良をしてみます。
むか〜しむか〜し、おばあちゃんの家に行くと、掘りごたつの中から、毛布にくるまった「お鍋」が出てきた覚えが。
食と生活ってうんと密着してたもんだったんだなと思う。
こう実感するのも、こうした行為も寄る年波に乗ってやってきた賜物である。
と、調子に乗っかっちゃって、お漬け物もやってみようと思う。
三五八漬けというの。
1キロの糀、いろいろ試しがいがある。
PsとAi、こちらも発酵しきり。
もうどろどろ。
ポアロにあまりにじらされたので、テレビに移行したらタモリ倶楽部にいきあたった昨夜。
タモリや浅草キッドの島袋筋太郎が、いつものようにぐだぐだっとしたゆるい感じで酒粕を使った甘酒の飲み比べをしていた。
ちょうど酒粕を買ってあったので(粕汁を作ろうと思って)さっそく今朝、甘酒をつくってみた。
甘酒を作るなんて、何年ぶりのことだろう。
仕上げになにかをポタポタッとたらしたような記憶があったのだが、ポタポタの正体は思い出せなかった。
レモン汁だったかなあ....。
家人に一杯出すと、
「ショウガとか入れるんじゃなかったっけ?」
という。
そういえばそうかも。
モアあったまるだろうし。
タモリ倶楽部で知ったマメ知識。
甘酒は、夏の季語なんだって。
冷たくした甘酒は、夏の元気づけに飲む飲み物だったらしい。
甘酒を飲むと、おへそのまわりが本当に暖まるし、おいしい飲みものだったんだなあと思った。
若年のころはあまり好きではなかったのだけれど。
午後にはネットで注文しておいた糀が届いた。
塩糀があまりに便利でおいしいので、自分ちで作ろうと思って1キロ注文。
友だち(男)が作っているというので作り方を教えてもらったのだ。
一ビン500円ぐらいする塩糀、ちょびちょび使っていたけれど、自家製にしたらじゃんじゃん使えるしとも思ってね。
醗酵ものはうまし!の感を強くする今日このごろ。
明日糀でも甘酒を作ってみようと思う。
モアモアきっとおいしいだろう。
今日は一日ダメだった。
どてーぐだーうだうだいらいらに支配されきっていた。
ダメオーラを家中にふりまきながらいたので、被害は主に同居の人々&動物に。
こんなときは大人しく、借りてあった「名探偵ポアロ」のDVDでも観て過ごすのが家内安全策と、のろのろ観はじめる。
ドアに「休息中。ノックしないで」と私に近寄るな!とばかりに張り紙を出す。
小一時間、後半のクライマックス、登場者全員を一室に集め、さあいっきに上り詰めるぞ〜のシーン。
殺人の動機は全員にある。
ひとりひとりに詰め寄るポアロ。
見当もつかない結末。
謎解きは進み、さあ誰なんだ?!ぱあ〜っとスッキリさせておくれ〜!......というとき、なんと!DVDプレーヤーがゴゴゴゴっとにぶい音と共に停止してしまった。
壊れた。
それはまるで出来の悪いコントのように。
ポアロのしたり顔の横顔のどアップからピクリとも動かない。
いったい犯人は誰なんだ〜〜〜!!え?おい?え?おいおい?
いらいらは倍増されただけ。
今日はまるでダメだ。
丸出ダメ男、いたっけなあ。
早寝して、明日にかけよう....。
友だちにうち来てもらって、つきっきりでパソコン講習。
フォトショップとイラストレータの手ほどきをうける。
友だちは、
「自己流なんでこれでいいのかどうか....」
と謙遜しきりだった。
是非教えてほしいことを教えていただく。
でも、いっかいにかいの説明&操作では覚えられないニブさ全開の私、さぞあきれられたことであろう。
「あきれてんだろうな〜、これ聞くの四回目だもんなあ」
とわかっちゃいるけど引き下がらないところが、しつこく性悪なアタシなんである。
いっしょにみえた友だちの娘さん(20歳)も笑いながら見てくれていた。
じつにあたたかく根気強く優しい母子、拝みたくなるくらいだった。
帰り道をいっしょに歩きながら、友だちはいう。
「始めたばかりの時、ただでいいからって仕事をもらってやってました。
締め切りがあると、なんとかしなくちゃ!の気持ちでなんとかするもんで」
と。
そして本当の仕事になれば、そこには「ギャラ」が発生する。
締め切りとギャラが合体で、そこに生まれる必死が、上達のポイントらしい。
曲線はまだ勝手にはねまわるばかり。
白紙、透明の区別をすぐに忘れる。
どこか一カ所は飛ばしてしまう。
私の体内で固く凍結されている「丁寧、根気、復習、意志強固」を解凍するときは今?......かも....。
凍結されてるだけで、腐敗してないといいんだけどなあ。
って、もともとあったのか?そんなもんがアタシに、ってか?
友人のところからワニ皮だといって、バッグがやってきた。
吸い寄せたかのように、アタシのところに。
私はやや疑惑をいだいた....。
これってクロコではなくもしやタートルでは?と。
なんとなくそう思った根拠は、友だちに以前見せてもらったことのある亀革のバッグにとても感じが似ていたからだ。
口金の部分もべっ甲っぽいし。
早々に、友だちに確かむるべく、写真をとって送った。
はたして鑑定結果は、ジャジャジャ〜ン♪

「あきらかに亀なり。べっ甲に見える口金は、プラスティックかも。べっ甲にしては長すぎるし」
ということでありました。

疑惑のバッグは一転、魅惑のバッグに。
内蔵されてる小さながま口も嬉しい。
着物にも合いそうで、嬉しさ5倍、さらに倍ドン。
友だち編集者さんと久々に会う。
いろんな話をする。
じつに色んな話を、おたがいにせきを切ったようにする渋谷で5時。
駅前から徒歩30歩ぐらいの距離の焼き鳥屋で、ビール&日本酒&濁り酒,....大量摂取する。
「あたしたちって、異常に肝臓強いんだろうか?」
といいながら、おかわりをくりかえす。
生きるってどういうこと?
深く深く話し込む。
深すぎて、出口がわからなくなる。
大事な事がちりばめられている日々のただ確認作業。
明日からまたがんばろうね!の励まし合い作業をする友だちのありがたさ。
あたしたちはまだまだやれるぜよ、ね。
深酒は時にからだにいい。
食器戸棚の空きスペースにおひなさまをかざる。


あとの面々は...ごめんね。
飾った後、友だちと待ち合わせ。渋谷で5時(@ももこ)
おひなさまを出さなくなって、何年になるだろう。
5年以上は仕舞ったままだ。
居間に木製の段々を置いて、勢揃いを並べるのは、むずかしい問題である。
あの棚のあそこんところ(1メートル×40センチ)をなんとかして、上段の人たちだけでも飾ってみようか。
でもタンスとか細々の道具類も久々に見てみたい気がする。
う〜ん、白酒の右大臣は出したい。
となると、楽団の五人衆だって、だまっちゃいないだろう。
迷うところである。
明日は朝から押し入れをがさごそやって、とりあえず、とりあえず、全員出してみよう!!
人選はそれからだ。